第4話 みなさん、良いお年を!!



 いや、やばいやばい。


どうやって帰るんだこれ。

よく見るアニメとかではなにか特定的なことを終わらせたら戻れるけど…。


多分これは自分の過ちを止めること。そして私は全て止めたはず…じゃあどうやって帰る?!


もう一度寝てみる?!

そう思って目を瞑る。現世に戻ってくれぇ!!



ーーーー



目が覚めると、布団の柔らかくて暖かい感触がした。

私は飛び起き、カレンダーをみる。


二◯二◯六年と書かれたカレンダー。

「よっしゃぁ!」

そう言い、私はベッドに飛び込んだ。

よかったぁ!戻って来れた!


私は飛び上がり、すぐにこたつの方へと向かった。

キッチンには母がいる。


父はダイニングテーブルに座り、兄はソファーで二度寝をしている。

よかった、幼い兄じゃない!


へにゃっとこたつの暖かさと嬉しさで笑顔になる。

すると母は言った。

「朝からご機嫌ねぇ!新年だから?」


いやいや、私は超能力になって10年前の私を救ったのだよ…と言いたいところだがこれは秘密にしておこう。私はみかんを剥きながら言う。


「いやぁ、いい初夢を見ちゃって」


確かに、初夢で最高の一年のスタートだ。


「あと少しでおせちできるから、座ってー」


母がそういうと、兄は起き上がって席に座った。

私も席に座る。

次々とでてくるおせちは、輝かしかった。

苦手だったレンコンも今では食べれる。



私たちは手を合わせて「いただきます」をし、私はパクッと黒豆を頬張った。

美味しい。


次は伊達巻き。ふわふわで美味しい。

あの出来事の後だからか、余計に美味しい。


私はもう一度黒豆を頬張った。

甘く、豆っぽい。

もう一口食べる。


飲み込もうとしたが…



「げほっ」


喉に詰まった。そして止まらない。


「おー、水飲め」


兄は水をくれたが、水を飲んだが、むせるのは止まらない。


そして鼻に激痛が走る。

ぽろっと何かが出る。

それは黒豆だった。




………。

伊達巻きは食べすぎないようにしよう。


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【お正月企画!!】今年こそは!早起きする!と思ったら10年前でした。 月乃 レイ @Tukino_rei415

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