第3話 ゴブリンとエンカウント!!

 はぁ。はぁ。はぁ。はぁ。


 とにかく走りこの森を脱却しようとするが何故かこの森はどこまでも続き未だに終わりが見えていない。唯一の救いといえば魔物の居場所がわかる点だけだろう。

 そのおかげで魔物と遭遇なしで今まで来ているがさすがにもう眠い。

 そう、あたりは真っ暗になり街灯のないこの森は月明かりのみが頼りなのだが、森だけにあまり明かりがやってこない。

 その上魔物たちがうろちょろして朝よりも静かで遠くにいる魔物が歩く音が聞こえてくるんだから恐怖しかない。


 だが、生きるために出口を探し走り始めるのだが、眠さゆえマップをみずに進んでしまったそのせいで……。


 「ぐぅぅぅぅ? ぎぃぃぃぃ!!」


 「「ぎぃ!! ぎぃ!!」」


 「?」


 その声が聞こえた瞬間ちょうど月明かりが俺たちのことを照らしてくれるが、そこには俺と3匹のゴブリンが生息している。

 そう、初めての魔物とのエンカウント。

 こっちは武器など一切無く、ただ逃げることしかできないが疲れているせいか走ったところでしれているだろう。

 それに対してゴブリン達はと言うと皆棍棒を持っていて今にも襲いかかるよう雰囲気を醸し出している。


 今までにないぐらい心臓がドキドキといい、冷や汗、恐怖心が体の芯から醸し出しているのが分かるがどこか冷静な部分が逃げないと。と言うが体が動かない。


 そんなオドオドしている俺に対しゴブリンたちはニヤリと笑いながら棍棒を上に掲げて俺に向かって走ってくる。

 この瞬間体が勝手に動きとにかくまっすぐに逃げることができた。


 死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない!!


 そんなことだけを思いながらただひたすら走っているが、肝心のマップを見ていなかったせいで走りながらゴブリンの群れの横を横切り後ろから着いてくるゴブリンがまた増えていく。

 唯一の救いは死ぬ前の世界でしっかりと鍛えていたせいか追いつかれることなく走れることだ。

 あの時に感謝しないといけない気もするかまそんなことをしている暇はない。


 はぁ。はぁ。はぁ。はぁ。


 時折後ろから聞こえてくる恐怖音。


 「ぎぃぃぃぃ。」 や、「ぐぅぅぅぅあぁぁぁぁぁぁぁ」というゴブリンの雄叫び。

 それを他のゴブリンたちが聞きこっちに向かい1匹、また1匹と増えているが後ろを振り返る余裕なんて無い。


 ただひたすら逃げるだけ。


 だが、そんな俺に救いの手が舞い降りてくる。

 月明かりがまたぽつりと現れ俺とその奥を照らしてくれついに木々の終着点が見えた。


 「はぁ。はぁ。はぁ。あそこまで!!」


 終わりが見えたことにより力が湧いてきたのか今まで以上の走りをかまし出口まで一直線に進む。

 やっとこの地獄の森から出れる。

 生きていられる。

 ゴブリンが追って来るかもしれないが、森と比べれば何倍も走りやすいから逃げられるかもしれない。

 そんな期待を胸に抱き希望の光に向かって走りついに森から抜けられる!! と言う嬉しさからジャンプをしながら抜けようとするがそこで悲劇は起きた……。


 ゴツン!!


 「うっ!!」


 出口に見えない壁が現れそこに正面衝突しおもいっきりジャンプした衝撃でそのまま後ろ向きで倒れ思いっきり背中、頭に衝撃ざ走る。

 今まで発したことの無い声を上げると共に木々がない方から月明かりが照らし若干星空のような眩しいものが見えるがそれは一瞬だった。


 そう、俺はゴブリンの大群に襲われていたのだ。

 ゴブリン達が俺の周りを囲むやいなやすぐに攻撃をせずだら〜っとヨダレを垂らしながら「ぎぃぎぃ」と話し合っている様子を見下ろしているのだが、頭が真っ白になっており何も考えられない。


 「ぎぃぃぃぃ」


 「ひぃっ!!」


 大声と共に棍棒を掲げているゴブリンの声で意識が戻ってきて体を半回転させ慌てて立ち上がるが見逃してくれるゴブリンではなく棍棒が体に何発当たる。


 「いっ」


 痛い、痛い、痛い、痛い!!


 「ひっ、ひぃ!!」


 そんなだらしのない声を出しながら頭を抱えゴブリンを手で押しのけまた俺は走り出した。


 「はぁ。はぁ。はぁ。はぁ。」


 あれから何時間走っただろう。

 未だにゴブリンに攻撃された背中、腹、足が痛い。

疲れまともに走れない俺は体を低くし隠れ何とかバレずにすんだ。

 生き延びたのだ。


 そして徐々に明るくなり今まで闇の森があかりに満ちた森に変わる。


 「生きてる、生きてる。」


 だが、身体中はボロボロだ。

 本気で死ぬと思ったし、なんならあっちの世界の方が何倍も楽。

 こんな異世界なんだったら行きたくなかった。


 ピロン!!


 8件目


 なんで解除しないんですか!! スキル欄で選択しながら解除と言うだけで自宅警備員のスキル解除できるのに!! そうすればこの森もさっさと抜けられもしかしたらあんな怖い思いしなくて済んだかもしれないのに!!



 ピロン!!


 9件目。


 ほんとごめんなさい。スキルの詳しい説明してなかったですね……。自宅警備員のスキルですけど、1度オンにすると24時間はその敷地から絶対に出られない上に解除しないと一生出られないスキルなのです。それがステータス上昇の代償なんですけど、大事なところを忘れていました。本当にすみません。ちょうど会議が入ってしまったので見ることもできなく今更になってしまいました。今回の謝罪として1回だけ全回復する魔法が使えるスキルをストックしといたのでこれを使って元気になってください。本当にごめんなさい。


 ピロン。


 10件目


 メールボタンを長押しすると私にアラームがなるようにしといたので何かあったらいつでも鳴らしてください。お願いします。あと、解除するとマップに表示してある魔物の生息地も出なくなるので注意してください。


 ……。


 呆れてものが言えない俺はとりあえず全回復スキルを使い体が暖かくなって元気になってから出口に向かって歩き出した。

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