第2話 異世界に到着……

 「ちょっ。スキルが自宅警備員ってどういうこと。えっ。まじで? 冗談抜きでこれ? えっ。」


 「あなたに合った素晴らしいスキルを贈呈したのでここまで慌てるほど喜んでくれて私も心から嬉しく思います!!」


 「喜んでねぇわ!!」


 冗談抜きでなんで異世界まで付きまとわらなければならねぇんだよ。

 そもそも、スキルが自宅警備員って何するんだよ!!

 なんかこの画面ポチポチ触っても説明文のひとつも出てこねぇし、ほんと使えねぇ。

 ああああああああぁぁぁ!!

 こういうことを望んでたんじゃねぇ!!!!!


 「では、下界に降り魔王を倒すことを望んでいます。」


 「ちょっと待て!! スキルの説明とか、あっちの世界の常識とか色々教えなちゃいけないことあるだろって魔法陣浮かんでんじゃん!! マジでこのまま転移させる気? おい、待て」


 「頑張ってくださいね」


 「おい!!」


 俺は女神に手を伸ばすが当たった先は今まで無かった木だった。

 それに周りの景色も森の中という感じに変わってるし下界に降ろされたのだろう。


 「クソ女神が!!!!!!!」


 そこから10分ぐらい女神の悪口を言い放ち少し落ち着いた後再度ステータスをオープンさせる。


 「ステータスオープン。」


 不貞腐れたように言いながら開けてみるが自分のレベル、名前、スキル、メールマークしか無いし先程女神の目の前で見た時と何も変わらない。

 ちっ。本当にあのまま召喚はせやがって!!


 ピロン!! ピロン!!


 頭に鳴り響くアラーム音とともにメールマークが黄色く光っているのが見えるがどうせくだらない内容だろう。

 それに、あいつの言うことなんか聞いてられるか。


 ピロン!!ピロン!!


 ピロン!!ピロン!!


 ピロン!!ピロン!!


 ピロン!!ピロン!!


 「うるせぇ!!」


 なんなんだよ!! この頭に響くアラーム音。超強力な目覚まし時計でも鳴らしてるのか?って思うほどうるさいアラーム音だが相変わらずメールマークが黄色く光っている。

 はぁ。とため息を着くと再度アラームがなり始めたのでちっと舌打ちしながらメールマークを押すと5件ほどメールが来ていた。

 1件目


 悪口ばっかり言ってるみたいですけど丸聞こえですよ。


 2件目


 女神のアラームは無視しては行けません。


 3件目


 早く気づきなさい。


 4件目


 あ


 5件目


 あ



 ……。あまり用事がねぇみたいだな。ただ単になんでもお見通しですよって言うことだけか。

 ほんとめんどくせぇ女神だな!!


 ピロン!!ピロン!!


 6件目


 めんどくさいと言うの禁止です!! それとあなたの声を聞いた魔物達がそちらに向かってるみたいですけど大丈夫ですか? スキル自宅警備員を使って対処すべきではありませんか? ごめんなさい。伝えてませんでしたね。ふふ。こちらをどうぞ。


 とともに手紙のマークみたいなものが付いているので押してみると手紙が出現したので手に取って読んでみる。


 自宅警備員スキル


 自宅警備と宣言するとその領地を警備するという状態になりステータスが一時的にアップする。自宅警備状態を解く時はステータスにあるスキルを押すだけで完了。

 それと異世界転生特典としてマップを贈呈するのを忘れていたのでスキル欄に入れといたので自宅警備員のスキルと共に確認してください。

 自宅警備員のスキル②で侵入者の場所がわかるようになるので排除しながら進むように。まぁ、逃げてもいいですけどね。



 あなたの崇拝する女神より



 ……。


 ……。


 ああああああああぁぁぁ!!


 俺はその場で手紙をビリビリに破り小さくなった手紙は風と共にどこかに行った。

 はぁ。

 ひとまず落ち着け。

 魔物が来てるんだよな。


 「自宅警備員!!」


 スキルを宣言すると共に少しばかり体が軽くなった気持ちがしたのでステータスを確認すると本来書かれている数字の隣に(+)と全てのステータスに書かれている。

 それとマップも同時に出していたがマップ内に現在地と共に赤くってえっ。

 ふざけんな女神!! どんなところに召喚してんだよ!!

 表示されてる現在地と自分の周り、それに圏外みたいなところにも赤い点が大量に出現しているということは逃げ場がどこにもない上にこの森がどこまで続くのかという問題に突入……。


 ピロン!!ピロン!!


 またか!!


 7件目


 特別なスキルをあげたあなたは他の異世界転生者とは違い、マップに表示される詳しい内容は100mまでとさせていただきます。本来であれば10kmまで表示されますが私自らあげたスキルの持ち主であれば必要ないですよね。


 「クソ女神!!」


 天に向かってるそう叫びここから慌てて逃げ出したのであった。

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