第2話 目立ってはいる

「――て、てつけんです。仲間――募集中です――ブヒッ」


 ところ変わって構内のメインストリートではないが。

 大学の講義棟と学食などの施設の入る建物の間で先ほどの不審な行動をしていた彼がポスターやパネルの前でチラシをもって声を出していた。


 そして周りには同じようなことをしている集団がいくつかある。

 

 現在この場所はサークルの勧誘場所となっている。

 複数のサークルがチラシを配ったり。中には実演しているところもある。

 ターゲットとしているのは新入生。

 オリエンテーションを終えて学食などに向かうところを捕まえているのである。

 中には強引にチラシを渡しているところもあったり。

 何もしなくても新入生の方から近寄っているところもある。


「て、てつけん。鉄道研究会です――ブヒッ」


 そんな中に混ざっている彼。

 はっきり言えば――めっちゃ目立っている。

 ポスターとパネルを出しているところは他にもあるが。

 そのポスターとパネルの完成度が高いこともあってかまずポスターとパネルで目立っている。 

 ちなみにポスターの方は活動内容。活動の風景が書かれている。

 そしてパネルの方には鉄道研究会と彼が言っていることから、鉄道のイラストが描かれている。ちなみにこれ彼が描いているのだが。それは他の人は知らないこと。そして彼も自分が描いたとは言わないので、そのことが広がることもなかった。


 そして彼自身も目立っている。

 そもそもの彼の見た目。チビデブの姿がかなり目立っているのと、そんな彼が1人で勧誘しているため目立っている。

 他のサークルは数人でしており。少ないところでも複数でしている中。彼は1人で行っているからだ。

 あと――なんとなくだが。頑張る彼の姿がどうもかわいらしい――と、いう事もあり目立っているのだが。

 彼の周りは何故か誰も近寄っていない。

 というか、あまりに独特のオーラを出してしまっているからか。

 近寄りたいのに近寄りたくない――みたいなことにみんながなってしまっていた。


「よ、よろしくお願いします――ブヒッ」


 あと、『ブヒッ』も余計な気がするが――これは仕方ない。

 緊張した彼の癖なのだから。

 多分本人も気が付いていない。

 しかしその『ブヒッ』が以外にも――聞こえてしまっているという。


 また彼は無理にチラシを渡そうとすることもないこともあり――どうも人の流れを捕まえられない状況になっている彼だった。

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