第9話 狼の魔物

「へえ、ジュリエットさんっていうんだ。私はエイミーよ。よろしくね」

「エイミーさん、よろしくね」


 ジュリエットとエイミーが自己紹介した。何でそんなことになってるかというと、ジュリエットが自分と従者の服は自分が洗うと言い出したからである。


「ジュリエットさんって綺麗な髪してるわね。どこの子なの?」

「えっ……、そのぉ……」


 ジュリエットが困っている。


「ジュリエットは親戚の子で、トーイ村に住んでるのよ」


 俺が助け舟を出した。


「トーイ村か、結構遠いね。遠いねっていっても私はこの村から出たことないけどねー」

「私もー、あはは」


 何とか上手く誤魔化せたようである。うん?何やら辺りが騒がしい。何かあったのかな?


「シャーリーン!エイミー!と知らない誰か!魔物が出た!早く避難するんだ!」


 大工のダイラスが俺たちに知らせた。槍を持ってたな。


「魔物ですって?!結界が弱くなってるのね……」


 ジュリエットが言った。


「グルル……!」


 でかい狼が俺たちの前に現れた。こいつが魔物?まずい。俺たちじゃひとたまりもない。


「ひいっ!狼の魔物!」


 エイミーが叫んだ。狼の魔物がじりじりと近づいてくる。このままじゃ三人共食われる!こうなったら……。


「風の奇跡!ウインドカッター!」


 俺はウインドカッターを放った。魔物の首が飛んで死んだ。


「へっ……?風の奇跡?」

「シャーリーン、あなた聖女だったの……?」


 ジュリエットとエイミーがそれぞれ言った。俺が聖女であることがバレちゃったな。さて、どうやって言い訳するか……。

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