第8話 食事

「この鶏肉美味しいですね」

「このスープもなかなか」

「さっき鶏を絞めたんですよ」


 マーサが鶏を絞めたと言ったら二人の食事が止まった。ちょっとショックだったかな?


「そうですよね。私たちは命を頂いているのです。食材に感謝しないと……」

「そうですね」


 また食べ始めた。切り替えが早い。


「お二人は貴族なんですか?」


 アデルが二人に聞いた。直球だな。


「はい、貴族です。お忍びですので、あまり広めないで欲しいです」


 ジュリエットが答えた。


「わかりました。秘密にしておきますよ」


 俺が答えた。


「もしかして、ジュリエットさんは聖女って言われてるんじゃないですか?」


 俺が聞くとジュリエットがむせた。


「げほっ!げほっ!……何故わかったのですか?」

「今行方不明の聖女ジュリエットとお忍び貴族のジュリエット……。簡単な推理です」

「偽名を使うべきでしたわね。どうか私が聖女ということは誰にも言わないでください!私はまだ死にたくないのです!」


 みんな食べるのをやめた。


「わかりました。うちが不利になったら助けてくださいね」


 俺が代表して言った。


「ありがとうございます!」

「それにしても、どうしてこの村に来たのですか?」

「奇跡が起きた村という噂を聞いてやってきました。ここに真の聖女様がいると信じて」


 俺が聖女であることを突き止めに来たってことか。だがジュリエット視点じゃ誰が聖女かわからないだろうな。


「真の聖女?それだとジュリエット様は偽物ということですか?」

「はい、私は偽物の聖女です。魔力も全然無いですし、奇跡も起こせません」


 ジュリエットの前で奇跡を起こさなきゃ大丈夫だな。

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