第2話
さあ、それを割るんだよ
どうして?
割らないと、大変な事になるよ
大変な事?
そう
だから、割らなきゃダメだよ!
そうだった。
そうやって、私は今まで葬って来たのであった。
なのに、今回は……
どうしよう、もうすぐ主人が来るらしい。
駄目だよ
絶対に割るんだよ
無理だよ
無理?
どうしてさ?
だって、彼がもうじき来るんですもの
きっと…いや絶対、喜ぶわ
だから、これを割るなんて
出来るわけない!
……知らないよ、どうなったって
君の好きにするといいよ
僕は知らない……
主人がここに着く前に、お手洗いを済まそうと部屋を出た。
トイレは何処だっけ?
真っ直ぐ歩いて行けば、そのうち見つかるだろう。
見つからなければ、誰かに聞けばいい。
廊下をずっと歩いているが、トイレはおろか人にも出会わない。
何なの、この病院。
歩けど歩けど白い廊下に白い壁、白いドアには真っ白なプレートが付いているだけ。
また、夢でも見ているのかしら。
気持ち悪い、一旦戻ろう。
「あ…」
振り返ると、何故か外に出ていた。
病院の中庭だろうか、草木が生い茂っている場所だ。
仕方がないので、前を進む。
ここもまた、進めど進めど同じような景色が続く。
早く戻らないと、彼が来てしまう。
この先どうするかも、まだ考えてないのに。
焦る気持ちに反して、足取りは重い。
それでも、あーだこーだと纏まらない考えをなんとか整理しつつ、進み続けて行くと。
やはり、ここへ来たんだね!
どうして!?
私、病院にいた筈なのに
それはね
君がここへ来たいと願ったから、来たんだよ
全然、願ってない!
早く元の場所に帰して!!
ほら花が開くよ、見てごらん!
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