第3話

いつの間にか私の目の前に、じわじわと咲き始めた蓮の花があった。

 そして、中には真っ白な小さい卵が。


「そいつを早く割るんだよ!」


 !?

 ずっと少年のような声で囁いてた何かが、大きな悪魔の姿で野太く怒鳴る。


「てめえが割らねぇんなら、オレがやってやるよ!」

 そう言って手を卵に伸ばした悪魔よりも先に、私は卵を掴み逃げだした。


「!?おいこら何をしやがる、よこせ!!!」

 逃げた私を、猛スピードで悪魔が追い掛けて来る。


 早く、早く逃げなきゃ…

 せめて、この卵だけでも…




「……何だコリャ?」

「どうですか?新製品『蓮の卵』のPR動画は」


「いやいや、どうですか?じゃねぇよ!何だよこのクソ動画、こんなPRされても誰も購買意欲沸かねえよ!」

「えー、そんな事ないですよぅ。今流行りのスピリチュアルな要素と社会問題をマリアージュさせて、広い世代にアッピールさせますよ!」


「何がマリアージュだコノヤロー、己のセンスの無さをアッピールしてんじゃねぇよ!」

「またまた~、実は評価してくれてるんですよね、この新製品の卵のチャームポイントである輝くような白さを全面に打ち出したこの演出…」


「ハイハイ終了~、次の方どうぞ~!……ったく、この新製品『蓮の卵』には、わが社の社運が掛かってンだからよぉ……」

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蓮の卵 胡蝶花流 道反 @shaga-dh

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