第7章 冬のバス停とクリスマス
初雪の便りが届く頃、放課後のバス停はいつもより静かで、冷たい風が吹き抜ける。悠真はマフラーを首に巻き、少し早めにバス停に着いた。今日、凛と会えることが楽しみで、足取りは軽かった。
凛も少し遅れて到着し、赤いマフラーを巻いている。手には小さな袋を持っていた。
「遅れてごめんね。寒かったでしょ?」
「大丈夫、むしろ君が来てくれてうれしいよ」
二人は自然に手をつなぎ、冬の冷たい風から互いを守るように肩を寄せる。小さな距離感が、胸の奥を温める。
「ねえ、クリスマス、何か予定ある?」
「うーん、特にないかな……君は?」
「私も……じゃあ、一緒に過ごさない?」
悠真は驚きながらも心の中で喜ぶ。
「もちろん……それって、デートってこと?」
「うん、そういうこと」
その夜、互いにメッセージを送り合い、クリスマスの計画を立てた。小さな心配もあったが、楽しみのほうが大きかった。
クリスマス当日、二人は街のイルミネーションが輝く場所で待ち合わせた。寒い夜空の下、色とりどりの光が二人を包む。悠真は凛の手を握り、少し恥ずかしそうに笑った。
「綺麗だね……でも、君のほうがもっと輝いてる」
凛は耳まで赤くなり、目を細めて笑った。
「もう、照れるじゃん……でも、うれしい」
その後、二人は小さなケーキを買い、公園のベンチに座って食べた。寒さを忘れるほど、話も笑いも途切れない。
「こんな風に一緒に過ごせるなんて思わなかった」
「僕もだよ……特別な日になった」
帰り道、雪が静かに舞い落ちる中、悠真はそっと凛の手を握り返した。言葉にしなくても、互いの気持ちは確かに伝わっている。冬の冷たい空気も、二人の温かさには敵わなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます