第5章 はじめての休日

週末。悠真は少し早めに目覚め、スマートフォンを手に取った。凛と一緒に過ごす初めての休日が近づいていたのだ。

「どこに行きたいって言うかな……」


不安と期待が交錯する中、悠真はメッセージを送る。


――「今日、もしよければ一緒に出かけない?」


返信はすぐに返ってきた。


――「うん、楽しみにしてる!」


待ち合わせの駅で再会した二人は、自然に笑顔を交わす。凛の髪は少し風に揺れ、穏やかな日差しが二人を包んでいた。


「今日は、どこに行く?」

「僕が行ってみたかったカフェがあるんだ。落ち着ける場所で、静かに話せそうだから」

凛は嬉しそうに頷く。

「いいね、楽しみ!」


カフェに着くと、窓際の席に座り、コーヒーとケーキを注文した。柔らかい音楽と静かな空間の中、二人の会話は自然に弾む。


「このケーキ、すごくおいしいね」

「うん、甘すぎずちょうどいい」

「悠真くんは、甘いもの好きなの?」

「まあ、嫌いじゃないけど……凛と一緒に食べると特別に感じる」

凛は顔を赤らめ、くすっと笑った。

「そう言われると、なんだか照れる」


午後は近くの公園を散歩することにした。風に揺れる木々の間を歩きながら、互いの学校生活や趣味の話をさらに深める。


「この前の数学のテスト、どうだった?」

「結構ギリギリだった……でも、君のアドバイスがあったから助かったよ」

「よかった!私も、教えてあげられてうれしい」


ふと、凛が足を止め、空を見上げる。

「見て、雲がまるで絵みたい」

悠真も空を見上げ、微笑む。

「本当だ……今日は一日中、特別な感じがする」


その瞬間、自然に手が触れ合い、二人の距離はさらに縮まった。言葉にしなくても、互いの存在がどれほど大切か、静かに伝わってくる。


帰り道、駅までの途中で、凛は小さな声でつぶやいた。

「今日はありがとう。すごく楽しかった」

「僕も、すごく楽しかった。次もまた、一緒に出かけよう」


バスや電車で別れるとき、短い時間の再会であっても、互いの心は確かに近づいていた。小さな冒険や日常の中で、二人の距離は自然に縮まっていく――そんな実感が、悠真の胸に満ちていた。

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