街にクリスマスカラーが溢れ始めた。


山田家も例外ではなく、リビングではクリスマスツリーの準備が進められている。

ニ歌の身長と大差ない高さで、飾り付けは弟たちに手伝わせる。


「何作ろうかな~」


レシピ本を見ながら思案する。15人ほど集まる予定で、宝人以外はアスリートといえる。満足して帰ってもらえる量の予想がつかない。


「姉ちゃん」と四緒がやって来る。

大人っぽい見た目ではあるが、まだ内面は幼さを残している末っ子は甘えん坊であった。


「僕ね、兄ちゃんはもういいやって思ってたけど、宝人さんならお兄ちゃんになってもいいからね」


照れながら告げられる。

一緒にゲームができて楽しかったみたいだ。宝人くんも慕われると悪い気はしないみたいで優しかった。


「お兄ちゃんって」


まるで結婚するみたい。


クリスマスに別れるかもしれないのに……。

しかし、胸の痛みとともに頭にあることが過った。


この先もずっと一緒にいれたら、ずーっと辱めにあえる?


宝人くんのお友達から、影で笑われるんだ。

……悪くないな。


「お姉ちゃん、宝人くんとずーっと一緒にいられるように頑張るからね」

「うん!」


絶対に別れないぞ!と私は拳を握ったのである。


クリスマスまで少し……。

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