第17話 気まずさUp!

 実家に帰省して早10日。

 はるっち家族はいつの間にか、3日前に帰ってしまったらしい。

 夜。

 夕ご飯のお手伝いをしていると、お母さんから声をかけられる。

 「幸知、恋してるでしょ」

 「え」

 まさかお母さんからそんなことを言われると思ってなかった私は、手に持っていたピーラーをまな板へと落としてしまった。

 「もしかして、陽斗くん?」

 「そんなわけないでしょ、

  早く夕ご飯作るよ」

 慌てた私は、ピーラーを拾い、じゃがいもの皮を剥き始めた。

 ボンッ

 あれを思い出すたびに顔が沸騰する〜っ!

 「あら?

  もしかして……学校の子?」

 ボンッ

 「ふふ、

  当たりみたいね」

 親って、謎に勘良いよね………。

 「違うよ!」

 もう、お母さんたら……。

 というか、すいのんも今気まずいのに、はるっちまで気まずくなるだなんて!

 うちの班、大丈夫か?

 れいれいは、事情知らないし、

 すいのんとはるっちもお互いの事情知らないし、

 ………副部長は、

 って、ダメダメ!

 副部長はっ、ダメ………。

 あっ、二階堂くんもいたんだった!

 違う班とはいえ、気まずいなぁ………。

 でも、唯一何も知らないのは、れいれいと二階堂くんだけだし………。

 れいれいは、「なんで言わなかったの!?」って怒りそうだから………、二階堂くん……、もう一回、信じてみてもいいかもしれない。

 「よし!」

 私は、決意を固めて、じゃがいもを握りつぶした。

 

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