第16話 友達以上、はとこ未満

 びっくりしたまま、葬式が終わり、気づけばベッドの上。

 あまり眠れなくて天井裏の屋上へ行くと、先客がいた。

 「さっちー……」

 「はるっちー…」

 信じられない、今でも。

 友達だと思ってた私達に血の繋がりがあるだなんて……。

 「………私達、どういう関係にあたるんだろ

  う。」

 「はとこでいいんじゃね(笑)?」

 ずっと悩んでる。

 私達の2つの関係を………。

 「うーん………

  友達以上、はとこ未満っていうのはどうだ

  ろ?」

 「どういうこと?」

 「はとこっていう関係は、それまでじゃん?

  でも、友達っていう関係は、いくらでも進展

  させることができるでしょ?」

 私はニコッと笑って言った。

 結構いい関係だと思うんだけど……。

 「それだけ?」

 「え?」

 気づけば私は………、

 はるっちに引っ張られ………、

 唇同士、ぶつかりそうになった。

 「へ、へぇっ!?」

 「!」

 ずっと私の唇を見つめていたはるっちが、急にはっとして、後ろへのけぞった。

 「ごめん、やりすぎた!」

 そう、逃げていったはるっちを見つめながら、私は思った。

 私のファーストキス、奪われるところだったよ!?

 うん、セーフ……なのか?

 ………と。

 

  

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