第11話 告白、できないよ

 体調が完全復活して、早二ヶ月。

 私は副部長にまだ告白できないでいたー。

 ど、どうしよう!

 副部長に……想いを伝えられないよぉ〜っ!

 私は、あれから菊池さんと和解して、マネージャー業を手伝ってあげている。

 「菊池さん、ちょっと待ってて!」

 「はい、いつものお時間ですね!」

 「う、うん……」

 毎午5時には、副部長が部室に点検に来てくれるのだ。

 その時間を見計らって、私は毎日副部長とお話している。

 あれ、いつもなら扉の前にいるのに……、そう思って扉を開けると……、隣の部室から声がする。

 もうみんな下校しているはずだけどなぁ……。

 耳を澄ますと、「やだぁ、こんなのぉ」「別にいいだろ」という声が聞こえる。

 間違いない。

 副部長と……すいのん。

 嘘、嘘……、嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘、うそぉ。

 私は……、三度も同じ間違いを……?

 裏切られて………優しい笑顔の下の恐ろしい醜い顔に。

 嫌だぁ、嘘だよね?

 嘘って言ってよ……ねぇ。

 告白なんて、できない、できないよ。

 でもね、どうしても苦しいのは。

 それでもあなたを信じたいと願ってしまっていること。

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