第7話 陸上部の二人の王子様
「はぁぁぁぁ」
部活が終わって、マネージャーの菊池 佳子(きくち かこ)さんと一緒に道具を片す。
「栗島さん、大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫大丈夫!
というか、古田部長と幸知副部長ってー…」
2人は、知り合いで、というかかなりの……。
楓、イケメンになってたなぁ
幸知副部長は、何であんなことを……。
胸が、モヤモヤする。
「ふっ、古田様とさっ、幸知様は、陸上部の王子
様なんですよ!!」
話を聞くに、彼女は2人のファンらしい。
「古田様は、入学から数日たってから、想われて
いる女性がいるらしくて……。
幸知様は、今年の入学式の時に会った、女性を
ずっと探してらっしゃるらしいのです。」
か、楓、私のことをそんなに……、副部長も、私のことを探して………?
ん?
え?
はぁ…?
「菊池さん!
か……古田部長は、入学から数日たってから
想われている女性が……?」
「え?
はい!
本人が言ってらしたので……、付き合ってい
ると……」
『入学から数日』『本人』『付き合っている』
おかしい、おかしい、おかしい……
私が楓と会ったのは……、えっと……、えっと………いつ、だったっけ?
あぁ、どうして、どうして、私はこう、2度も同じ間違いを犯してしまうのだろう………。
誰か、助け………。
グイッ
「副、部長……?」
「行くぞ!」
何だろう、何だろう……。
凄く、心強い。
「………はい!」
「あ、栗島さん……!」
そのまま、私は後ろで唇を噛む彼女に気づかずに、走ったのだった。
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