卒業したら

 就職してからは、当然のように現実の厳しさに打ちのめされます。学生時代はよかったなぁ、ってみんな思うと思うんですよ。例外も多少はあるでしょうけど。


 意外と学校で優秀だった人ほど就職してから続かないことが多いと聞きました。


 なんでかな、って考えてみたんです。


 学生時代は「どんどん質問しなさい」「自分でも考えてみなさい」とたくさん言われます。それでみんなで発見したり解決したりして学んできたんです。


 でも就職したら、シェフ(または先輩)がすべてなんですよね。そりゃ職場によってちがいはありますけど。


 すると、質問はともかく、「自分でも考える」、これがあるとうまくいかなくなる。


「こうしたほうがいいんじゃ?」

「自分はそうは思わないな」


 これが出てきちゃうと苦しい。会社だったら新入社員の意見も聞くよってところも多いようですが、職人さんって上下関係の厳しい世界ですから。基本的に口出しなんてできないんです。


 となると、無心でやれるタイプの人のほうが続くのかもしれません。下積みってやつです。


 今は従う時、と割り切って耐える、それができれば未来で大きく開花できるのかもしれませんね。



 そんなことを今更思う、クリスマス明けの12月でした。



 歯食いしばってがんばる後輩たちにエールを。


 そしていつでも人々に幸せをもたらしてくれるケーキたちに変わらぬ愛を。





 (おわり)




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わたしが卵だった頃の話 ~製菓専門学生あるある〜 小桃 もこ @mococo19n

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