第4話 区南山@連続行方不明事件③

「でぃーっえぬっ!!えええええええええっ!!」


ウルフカットに料理教室にて見覚えるのある白装束のような服にクローバーの絵柄は彼が大自然的遺伝教会の教祖であり絶対的な指導者であることの証明


信者集団は跪くと風宮為伏/カザミヤキブシ

前回の事件の死体役が生前の状態で出てきた


「大自然遺伝教会の風宮為伏だ...乃村っくううん...よくぞ...私の計画のもとにメンドな輩を捕まえてくれたあ...全ては真なる自然のために必要なこと」


「オマエか...捜索隊を付け回していたヤツは...」


「何をおっしゃているのやら...アナタ達を見張っていたのは忠実な部下である彼女だ...」


風宮の後ろから仮面を外して出てきたのは行方不明者として扱われていた金髪ギャルのアンナである

アカグモは彼女を見て事件に対する認識を改める


「どうやら前提から違っていたな...行方不明事件ではなくコレは誘拐事件だ...被害者が自ら山に入りオマエの所に攫われに行ったんだからな...」


「言葉の綾かな?行方不明者の殆どは望んで山に来て私の理想の実現のために奉仕することを望んだのだから...我々は何も人殺しをしているワケじゃない


自然にとって地球にとって未来にとって必要なことをするため君達に黙ってもらいたいだけなんだ...」


「笑わせるな...5人が行方不明となり山道に服が投げ捨てられていれば大事にもなるだろ?」


「少なくとも警察には話が行っているのだが...最初の誤算は立花キミコだった...自らの意思で私の元に来た彼女の父親は警察関係者だった...事件は大事として扱われて我々の元にも捜査が入った...


だが家族の中でも能力が低かった立花マユを厄介払いしたくなった彼女の父親は教団の存在を隠して事件を有耶無耶にすることに協力した...幸運だったよ


それから此処は必要の無い人間を捨てるスポットとなった...君は行方不明者が5人と言ったが我々の所に来たのは数十人を超えているんだよ...若い人間が消えた時だけ世間が問題にしているだけなんだ...


自ら私に元に来る者も居れば捨てられる者も居たが私としては立花さんから活動資金も貰えているし...人に恩を売ることも大切だと実感しているよ...」


風宮為伏の口から語られたのは必要の無い人間と社会から逃げ去りたい人間の思惑と信者の数を増やしたい教祖の利害の一致による真実だった


「なんともブッ飛んだ物語だが推理ゲームにチャチャ入れる前に重箱の隅をつつくように真相を解明しないといけないな...乃村さーん!!アンタは?」


乃村普男が近づいてくると彼は赤星雲に表面上は申し訳なさそうに気のいい山男のように話しかける


「悪いね...俺は妹を区南山で失ってから...この山の自然を守るためなら何だってやる気なのさ...警察が不躾に捜査すれば...ここの生態系も乱れる...」


「自然の為に行方不明事件を黙認する気か?」


「あぁ...どんなに探したって妹が見つかることなんて無いんだからな...だから奴等に手を貸す...」


「ふざけるなぁっ!!オマエが妹を探すことを諦めて何になる!!本当に大切なら...どんなことをしてでも探し続けるはずだ...どんな相手だって.....」


赤星雲の叫びには心から出る真に迫るような何かがあり乃村や周囲の集団は彼から距離を取った


赤星雲は真の余裕の表情で髪をかきあげると付けてもいないネクタイを締めるような動作をして付けてもない眼鏡を上げるような動作をして指を鳴らそうとするが不発に終わる


彼の背後に数式が通り過ぎるようなエフェクトが出るとソレまで見てきた山の風景や違和感の映像が次々と通過していく


全ての名探偵がともかくやってそうな動作を失敗しているにも関わらず赤星雲は堂々と風宮の方を指さして叫ぶ


「なら解決してやる、コレは殺人事件だ!!」


「なっ、何をおっしゃっているのかのやら...」


「おそらくだが...行方不明者1人目の立花キミコや2人目や3人目まではオマエの言った通り...捨てられたか教団に入信した人間だろう...」


「ぜっ...全員がそうに決まっているだろう...我々は確かに誤解されることは多いが人は殺さない!!」


フタミのメモを撮影した画像を見せると風宮は疑問を感じて思わず口に出し始める


「立花キミコ...品川ヨシオ...古谷トモヲ...信者の名前だが教団内の施設で無事に暮らしてる...こう話題になるから立花に最初の事件から...山で消えた人間のことを上手く揉み消しもらい続けていたのだ」


「2020年からの2人には触れないんだな?アンナみたいに教団に来てるなら俺にも見せれるよな?」


「なっ...だから何を言ってるんだ...」


「1.2.3.6までは答えられて4.5までは答えられない当然だよな?此処は行方不明者が出て報じられても直ぐに揉み消される山なんだ...だからこそ犯人は此処を殺人現場に選んだ...」


「俺が犯人?それは無いよ赤星雲くん...確かに教団に加担してたことも仲間を閉じ込めたことも謝るが殺人なんて...俺は自然を愛する普通の山男だよ」


赤星雲は彼の前をウロウロと歩きながら話す


「最初に感じた違和感は...アナタが区南山に来てから"6年"と言った時...今は2026年という設定だ...


オマエの妹さんが行方不明となった時期の2022年から捜索を続けていると考えると行方不明となった妹を探しているなら山に居る期間は"4年"だ」


「そんなのは...違うさ...この山には妹が居なくなる前から思い入れがあってね...だからたまに妹を連れてきていたら...アイツも此処で行方不明になった」


「違うか?区南山に居る期間が6年なら2020年に行方不明となった江本マユさんと会った可能性があるよな?」


「会ってるわけ無いじゃないか!!」


「そう言うだろうな...だって彼女が殺されたのは...区南山では無い別の山だからな」


人殺しはしないと誓っていた風宮と信者も目の前の殺人鬼に手を貸した可能性に気づき騒いでいく

冷や汗を流す乃村に赤星雲は推理を続ける


「江本の映像を見た時に違和感があった...此処は紫陽花が咲いていてアオダイショウも多く出ることから考えてGPSを確認したら今回のゲームの舞台は東北地方に位置する場所で間違いない...


乃村...隠しているようだがオマエの喋り方には関西地方に住む人間の特有の訛りがある...居らんけん...なんて不意に呟いていたな...」


「出身が関西だからって犯人にされる?最近の名探偵ってなぁ随分と推理のレベルが低いのぉ?」


赤星雲の取り出したスマートフォンから江本キミコの撮影したとされる動画が流れ始める


「この江本の映像を見れば奇妙な点が幾つもある...まず山道を歩いて気づいたが雨で地面が泥濘んでいるのなら素人が走ることは難しい...現に映像もブレて変な方向を写している時があるからな...」


「んなもん江本が山をテキパキ走っただけやろ...そんな茂みとか木とかギョーサンあるだけの場所見てどないして犯人みつけるっちゅーねん?お?」


「これは死ぬ気で逃げている最中の映像だった.....アレは彼女が消える前に撮った重要な映像だぞ?


なのに40秒は随分と短すぎるんだよ...何者かによって意図的に前部分が編集された形跡...消された部分では犯人を写していたか犯人の名前を口にしていた


殺された後に彼女のブラウスだけが区南山の脇道に落とされていた...犯人が殺害現場を誤認させるために区南山に落とした...」


「なんでわざわざそないなことすんの?」


「自分の妹の事件を揉み消すためだ...区南山で行方不明と判断されたのはオマエの妹の服と...オマエの南山で妹を見たという証言だけだったからな...


映像の最後に写っている楕円形の葉っぱは区南山には生えていないクスノキという樹木の葉っぱだ.....温暖な地域...関西にも植えられているらしいな」


気づくと乃村はクシャクシャに丸めた紙のように顔を異常に歪めた悪鬼のような表情で赤星雲を睨みつけながら話す


「な"ん"や"そ"ん"な"も"ん"...山で女が2人と消えたくらいでやぐらしか...証拠はあるかいワレェ!!物証も無いのに人ォ追い詰めとるとブチ殺すぞ!!」


「自分の妹も被害者に含まれてること...忘れてるんじゃないか?その表情だと...この連続殺人鬼が...


山の中に青色の紫陽花の中に桃色の紫陽花が混ざって群生している場所を見かけた...紫陽花の色の変化は土壌のph値が違うことから起こる...アルカリ性なら桃色が咲いて酸性なら青色の紫陽花が咲くんだよ


埋まっている人間の死体から紫陽花は青に色付いた

オマエが何人も山で殺してるのか...単なる偶然か...

消えた人間の数は5人や6人じゃ済まないようだな」


白日のもとに暴かれてしまった連続殺人鬼の存在に教祖の風宮為伏/カザミヤキブシは信者を盾にして隠れている


推理ゲームの世界にて一度は黒星がついてしまった赤星雲には形振りを構っている余裕など無かった


推測だけで目の前の男を殺人鬼だと糾弾することもするし使えそうな証拠や違和感には容赦なく首を突っ込む覚悟があった


(本当に乃村が殺人鬼でも何でもいい...コイツが何かの事件の犯人で俺がソレを解明してゲームをクリアすることができるなら...この際は何でもいい...)


この仮想世界の名探偵は犯人を追い詰めるためなら濡れ衣を着せることも厭わない


「あの映像が行方不明事件でもなく殺人事件の映像で区南山の物でないも分かったならば警察も容赦なくオマエを追求する可能性がある...怖いか?」


容赦なく冷静に犯人の心を揺さぶる一言を放つ


もはや化け物のように顔を変形させた乃村が唾を飛ばしながらギャーギャーと意味不明な単語を叫んだかと思えば赤星雲の胸ぐらを掴む


「何を焦ってる殺人鬼...教えてやろうか?あの江本の映像に決定的に足りなかった物も...」


「だまれやあああああ!!おかしなもんはなーんにもうつってまへん!!何の変哲もない普通の山やろがい!!ボケェ!!」


彼が何を言おうが糸澤充(32歳)には何も響かない


「@マークが!!映像の何処にも写って無いんだよ...あの目印は3件目の行方不明事件のあった2013年からある...江本が此処の山道を走っていたなら?」


「あ」随分と間の抜けな声が殺人鬼から鳴る


「山を侮ったな」


赤星雲の決めゼリフと共に糸が切れたかのように胸ぐらを掴むを止めた乃村は生気が無くなったかのようにグッタリとして口だけを動かす


「アイツが余計なことしなきゃ...こないなアホにタマ取ったんバレへんかったのに...ほんまあきまへんわコレ...自白や...おあとがよろしいよーで」


犯人役としての役目が終わったのだろう彼を含めて風宮と信者の頭も一斉に破裂すると生首から噴射された紙吹雪が舞い始めている


小屋の方から炎藤が1人だけで出てくると初心者である赤星雲統/糸澤充に向けてグッドサインを送る


殺されるかもしれない極限状態から解放されたからか森の中で見るマッシュヘアが怪しげな毒キノコに見えてしまい


赤星雲はグッドサインに指を鳴らす動作で返す





気づくと区南山から全く別のGAME CLEARとだけ書かれた空間で赤星雲統は自分の目の前の視界という名の画面に浮かび上がっていく文字を見ていた



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PLAYER No.00 赤星雲統/アカグモ スベル

職業=AIプログラマー/エンジニア

区南山@連続行方不明事件 難易度D級 【解決】

CP1000 DP9000 EP9000 トータル[15000P]


【評価★★★★☆】絶対絶命の状況から推理の起点だけで乗り切る姿は素晴らしかったです!!台詞の掛け合いや証拠の集め方も板に付いてきたのでCPの方も与えることにしました!!


「山を侮ったな」は今回の犯人に最適な一言です!!

2人を殺害した方法を聞き出すことができなかったのは残念ポイントですね!!


事件を解明するにあたって豹変する犯人も少なくは無いですが恐怖も無く喋り続けて重要な証拠を最後に突きつけたと所には感服しました!!


今までは選べなかった

[ふつう]の難易度の事件に挑めることになりました!!


その調子で頑張って下さいの星4評価

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