第3話 キッチン楽々蝶殺人事件③
赤星雲は少しばかり後悔しながら椅子に座っていた周囲に呼びつけられて立っている料理教室の生徒達は警察が来る前に何が行われるのか不思議だった
炎藤がダルそうに聞く
「えーっと...なんすかこれ?なんかやる感じ?」
「事件の全貌が見えてこないな...見える所だけ解き明かしてやろうと思ってるんだ...消えた毒物の謎と車広/シャヒロを殺した犯人だけをな...」
「あの人は...殺された?死んだ時に周りに誰も居なかったし見つけたのは蝶坂先生とアンナさんだよね?殺すなんて...無理っしょ」
「そこら辺はシンプルだ...毒物を使った...即効性の毒で数分程度で効果が出てくるタイプのを使った」
漆日楼が推理に突っ込んでくる
「まてまて...仮に毒物なんかがあったとしても混入させる方法が分からないだろう?パンケーキの生地は自分で混ぜていたし...怪しい動きをするヤツが居たら誰かが見ていると思わないかい?」
「犯人は毒物を安全な方法で混入させたんだよ」
「安全?それはパンケーキを皆で食べる可能性のことを言ってるのか...ね?この教室では作った料理を最後に皆で食べ比べる流れがあるんだよ?」
「毒の効き目の程によっては犯人もパンケーキを食べさせられた可能性だってあるからな?食べ物に毒物を混入させる時の不自然な動きを勘付かれるリスクだってあるわけだ」
名達杏奈/メイダツアンナは聞いてくる
「じゃあ毒を飲ませる方法なんて無いじゃねぇかよ!!大体、犯人なんて居ないんじゃねぇのか?」
「いや犯人は居る...それも"酷く狡猾な犯人"がね」
「あぁん?酷く高圧的なガンジー?」
「酷く狡猾な犯人な」
赤星雲は上手く貼り付けられたポスターの前に立つと画鋲を抜き取って針を上向きにした状態で机の上に置いて見せる
画鋲の針には少しの血痕が付いていた
「犯人はポスターの画鋲に毒物を塗って車広の椅子の上に置いておいた...彼が画鋲の置かれた椅子に座ることで針が刺さって体内に毒が注入される...」
「そんなことしたヤツが本当に居るのかよ!?なんとも馬鹿らしい作戦じゃねぇか?そんなの」
「自分の椅子に画鋲を仕掛けた犯人が誰か分からなかったから車広は不機嫌になって国分寺の方に移動して悪態をついていたのかも知れないな」
二見鏡狐/フタミキョウコは叫ぶ
「ポスターは最初!!剥がれかかっていました!!ですが事件発生後には何時の間にか綺麗に直されていました!!それが毒殺のトリックですね!!」
漆日楼は更に推理に突っ込む
「だが...車広の殺害を立証しても風宮の殺害までも立証することはできていないよね?今回の2つの事件の犯人を同一犯とするならば...一方の殺人だけを証明しても意味が無いだろ?
やはりAiエンジニアには難解な事件を検索する事は可能でも解き明かすことなんて150年は早かっただろうね...ドンマイだね?」
「オマエ...どうして風宮の名前を知ってる?」
「.........は?」
「事件現場の死体は俯せの姿勢で窓側を向いて死んでいた...被害者の身元が分かったのは二見が被害者の服を"画像検索"にかけた時だ...でもオマエは...その時に調理場には"居なかった"よな
1週間前に教室に来ていてアイツの死体を見ているんだろ?もしくはそういう"設定"で此処に居る」
料理教室に居る全ての生徒からの視線が漆日楼の方に集まってくる単なるWEB小説家であるはずの彼は露骨に焦りながらも言い訳をする
「い...いや!!蝶坂先生が話しているのを聞いただけだろ!!そんな揚げ足を取るみたいな推理...」
「私は風宮さんの名前など漆日さんの前では出していませんでしたよ...漆日さん...どういうことか私達に説明して下さいっ!!」
「そんなことより探偵さん...風宮を殺したトリックが分からないんだろ?それに毒殺を証明するなら俺が毒物を持ち込んだという証拠が必要な筈だよね」
漆日が気づくと赤星雲は席を立っており風宮の死体現場にまで悠々と歩いていくと中を歩いて
撒き散らかされた小麦粉や風宮の死体を越えながら電子レンジのドアを開けて毒物の小瓶を取り出した
「はい見つけた」
「そんな雑に見つけるのかよっ!!」漆日は叫ぶ
「犯行現場に入ってくるなんてオカシイと思ったんだよ...二見はともかく今回の探偵役は俺だからな...このゲームって二見とプレイヤー以外は率先して事件を捜査しないんじゃないのか?
今回の犯人は...幾つもあるゲームシステムの穴をついているような気がする...毒物の隠し場所も警察が来るまでの時間稼ぎとしか考えられないからな...」
赤星雲は指をさして漆日に叫ぶ
「オマエ...NPCじゃなくて人間だろ」
「...」
「思えば今回のオマエは前回よりも悪口の回数も減っているよな...中身が違うと考えれば喋った時の印象が変わっていることにも説明がつく...」
なんのことかと赤星雲と漆日以外の人間ではないNPCの連中が互いを見ながら困惑している
2人が交わす会話の内容が理解できないのだ
NPCは自分が人間だともコンピュータに作り出された存在であるということも理解できないらしい
NPCではなく中身は人間の漆日楼/???が少し悔しがりながら両手の拳を握り締めながら話す
「バレたか...うん...確かに...俺は人間だよ?漆日楼じゃないし今回は犯人役でゲームの中に入ったよ...
ちなみにペンションではアンナを選んだ...
使ったのは蜂毒だよ...車広凱はアナフィラキシーショックを起こして死んだんだ...前に彼と会ってオオスズメバチに刺された事を聞いてきたからね...NPCの殆どとは顔を会わせたことがある...弱点が分かる
弱点が分からないのは新キャラのセアカゴケグモくらいだよ
俺もNPCと思われてれば事件現場に毒物を隠してもバレないと考えたが...そう上手くは行かないか...」
「この際...事件についてじゃなくて個人的な事を聞きたいんだが...このゲームにはオマエ以外の人間も入って来れるのか?」
「おかしな質問だな?キミと俺のように多くの人間がFAKE PAINには入って来れる...当然だろうが」
「俺の妹は...現実で死ぬ前にゲームの中で何者かと話していた...それが誰なのかは分からないが...妹の不自然な死に関連している」
赤星雲が単なる架空の犯人探しの表情から実際に起こった事件を解決しようとする凄んだ表情になる
漆日はソレを笑いながら近くの椅子に座ると話す
「面白いな...キミは犯人探しのゲームに入りながらリアルの事件の犯人を探しているのかい?でも...
いざ人を疑うという視点を持つならばNPCに搭載されているAIを疑う視点も必要なんじゃないか?」
赤星雲は自分の鼻を反射的に触るようにして口の全体を隠しながら少し漆日から目を離しながら話す
「NPCが殺人を?有り得ないな...AIが人を殺すことなんてできない...人間に対して不適切な内容は話せないように自動的にセキュリティがかかるからな」
「でも、このFAKE PAINは裏で流通している物だよね?NPCのAIも改造されていたり不具合があったりしたのかも知れない」
「そんなこと有り得ないだろ」
「自分でもAIが人を殺す可能性について何度も考えたんだろ?AIエンジニア?のキャラクターでゲームに入って来てるんだからね...
あれ?ひょっとして君が作ったAIがNPCに搭載されているとか?だとしたら間接的に君が妹を殺した可能性なんてものが出てくるよね?」
赤星雲統/糸澤充は漆日の神経を逆撫でする言葉に瞳孔が開き思わず彼に殴りかかろうとすると
調理場のドアが開かれ警察服を着た頭が球体になっている青いマネキンのような連中が部屋の中に入ってくると漆日に持ってきた手錠をかける
《MISSION FAILED》失敗の文字
遂に警察が来た、赤星雲はMISSIONを達成することができずに漆日は何処かに連れていかれていく
調理場全体にバグが起きて景色が二重になる
連れていかれる漆日?が勝ち誇った様子で答える
「最初の風宮の事件はさ...事故だよ...過激な菜食主義を持っていたヤツが物置きの窓から侵入して...部屋を荒らそうとしている時に棚に潰されて死んだ...
倒れた棚のガラスが割れてヤツの首を切りつけたから血が流れて乾いていたんだよ...
視点を変えることは重要だよねぇ?事故が殺人に見えてしまうし殺人が自殺に見えてしまうんだから」
漆日以外のキッチン楽々蝶の生徒達の頭が弾けると首だけの身体がドットのように崩れさり部屋の中までも昔のゲームに多く見られたドット絵に染まる
警察に連れていかれることで推理ゲームから去っていく漆日の背中を見ながら赤星雲の頭の中には床に倒れている妹の情景がボヤけて浮かぶ
倒れた妹を見た時に覚えた殺人の核心が漆日からの言葉でブレているのだ
周囲の画質が時間の経過と共に不鮮明となり32bitから8bitから4bitと徐々に古臭く変わっていくBGMのクラシック音楽にも雑音が入るようになってきた
「事件は本当に事故だったのか...オマエの...犯人からの言葉なんて信用できるのかっ!!」
気づくとホテルから全く別のGAME OVERとだけ書かれた空間で赤星雲統は自分の目の前の視界という名の画面に浮かび上がっていく文字を見ていた
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PLAYER No.00 赤星雲統/アカグモ スベル
職業=AIプログラマー/エンジニア
キッチン楽々蝶殺人事件 難易度D級 【未解決】
CP0000 DP0000 EP0000 トータル[0000P]
【評価★☆☆☆☆】メインである風宮為伏の事件を解決することができませんでしたが車広凱の事件を解決することができましたね...探偵が事件を解決しないなどということは許されません!!
ヒロインとの会話が足りていないので証拠も不十分な形でしか得られていません...コミュニケーションの力を上げましょう!!
次からは頑張って下さいの星1評価
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⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜
⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜FAKE・PAIN〜作られた真実〜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜
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《探偵の自覚を持ちましょう》
煩わしそうに頭のバイザーを外すと探偵なのに事件を解決することができなかった糸澤はパソコンの画面に映るデジタル時計を見る
[12:44]
「嘘だろ...少なくとも仮想世界の中じゃ...20分以上は捜査をしていたのに...現実じゃ.....2分か...」
体感で事件発生から解決までの時間を長く感じていたが現実では僅かな短い時間の間にゲームが終了していたことに糸澤は驚きが隠せなかった
いくらガバガバでもAIでも予測を超えた真実や現実というものに人間は神や魔法の存在を信じたくなるくらいに信じられなくなるのだ
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PLAYER No.01 漆日楼/ウルシビ ロウ
職業=WEB小説家
キッチン楽々蝶殺人事件 難易度D級 【達成】
CP0000 KP9000 EP5000 トータル[14000P]
【評価★★★☆☆】他の事件を盾に裏で暗躍するっていう鮮やかな殺人で探偵にも気づかれずに上手く立ち回っていたが物語をより面白くするための会話力が少し弱かったぜ
料理教室が舞台なので毒物をアイテムとして使用するセンスには素直に高評価を与えるてやるかな
現場にある画鋲を使うのも良いアイデアだな
▓▓▓▓▓を解明されたが咄嗟の機転で▓▓▓▓を庇って事件を▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓プラスポイントだぜ
だが動機を明かさなかったのはマイナスポイントな
途中で漆日楼のキャラクターから想定されていない会話がされていたぞ...CPは低めに付けさせて貰いましたからな?演技力と殺人鬼の自覚を高めろよ?
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