第1話 池悠島HOTEL殺人事件③

赤星雲がエントランスに入ってくると集まった他の4人は困惑しながらも中心で事件の犯人について考えている彼の元に集まっていく


ネクタイを正しく締め直すと赤星雲は呟く


「犯人が分かったかもしれない」


「フタミ・キョウコがね!!」


「とりあえず黙れ、スットンキョウ」


「誰がスットンキョウですか!?」


フタミは不満なのか頬を膨らませながらスーパーの菓子売り場で駄々を捏ねるガキのようになると立ち上がって自分の推理を披露する


二見鏡子は漆日楼を指差す


「ひよひよひよひよ...んーっ...このフタミ聞いたことは忘れませんので...言わせていただきます...今回の事件の犯人は...アナタだ!!ウルシビさん!!」


漆日は流石に文句の1つでも言ってやろうかと穴のある推理に対する文句をベラベラと喋ることにした


「なに言ってるんだこの迷う探偵と書いて迷探偵めいたんていのバカ女は...こんなに頭も顔も悪いのに二足歩行して歩けているとはね...」


「顔もスタイルも良いし頭も良いです!!アナタが犯人の根拠は2つ!!なんか怪しい所と島に来たことが1度だけじゃない所です!!」


「ねぇ...まだ体格的に中年男性を押すことができそうだからだとか...幾らでも理由は作れるよね?」


「それも追加します、アナタが犯人です!!」


探偵帽ごとフタミの頭をポンと叩いて黙らせた赤星雲は彼女に変わってホテルのシャングリラの下で照らされながら事件の犯人を指差した


「犯人はオマエだ...名達杏奈/メイダツ アンナ」


「はぁ?ちょっと待ってよ...探偵気取りが増えたかと思ったら私を疑うわけ?意味が分からない!!外の死体は自殺で事件は馬鹿な女の妄想でしょ!!」


赤星雲は歩きながら淡々と犯人を見つめ語り出す


「まず人が自殺する時に仰向けで落ちることは有り得ない...下に落ちる恐怖があるのに背中を預けるなんて奴は...そうは居ない...死ぬにしては車広の格好がオカシイんだよ...全てを捨てて死ぬ覚悟を決めた人間がジャケットなんて律儀に着るのか?


そうまでして見た目に気をつける人間というなら格好が別の方向性からオカシイと言える...高級腕時計も首につけたネックレスも外して落下するなど有り得るはずが無い...酒のせいもあるかもだが...不自然


なにより死体には決定的に減っている物と決定的に増えている物の"2つ"がある」


「アンタの妄想じゃね?勝手な憶測やめろマジで」


「減っている物は...指輪...彼は婚約指輪を付けていたんだよ薬指に指輪を外した跡があるんだ...彼は落ちる前に全ての装飾品を外したいたことになる...

増えている物は1つ...スマートフォンだ...」


名達杏奈は瞳孔を開いて出てきた物に驚いている

二見鏡狐は高笑いしながら赤星雲の推理に割り込む


「第一発見者くん!!スマートフォンは彼の空いていた部屋からも既に幾つか押収済みなのだ...恐らく仕事用から実務用までキミだけが車広のスマートフォンを持っている訳じゃない!名探偵フタミ!!」


「このデザインのスマートフォンが仕事用か?」


取り出したスマートフォンは小ぶりでありバキバキに割れた画面側から見ている限りは何も分からないが裏返すと


取り付けられていたカバーには宝石店の中身をバラして散りばめたようなデコレーションがある


男性用には見えない


死体から重要な証拠を取り逸れる初歩的なミスを犯した名探偵は膝を着いていると赤星雲は下らない犯人探しの茶番を終わらせるべく推理を走らせる


「事件の概要は簡単だ...アナタは車広の部屋に行ったんだ...恐らく恋愛関係だが彼の部屋でした事は小さなグラスの酒を飲み交わすだけ...


アナタは口紅がグラスについていることを知り化粧落としでグラスに残っていた口紅の痕跡を拭いた」


「ざけんなよ!!そんなのも憶測じゃねぇか...酒を飲んでたなら...誰のせいでもなくてマジで自殺か酔った末に落ちただけの事故だろ!!」


「犯人が車広さんの部屋を荒らした形跡があった...机の大量に零された酒だ...酒瓶はグラスまでついて綺麗に置かれていたのにテーブルはビシャビシャになっていたのは不自然...酒瓶は直してテーブルは吹かない所も不自然の上塗りをしていると言えるな」


「酔ってるから...だろ...アタシを疑うなんて...」


「犯人も一緒に飲んでいたが形跡を消す必要性があった...机に残ったグラスの水滴の跡もな...2つのグラスが並んで置かれているのも不自然だが...水滴の跡からも足がつくとも考えたんだろ...


水滴の跡を消すために犯人は大胆にも机に酒を大量に零す大技に出た...コレで被害者は大量に酒を煽った末に机も拭けないほど酔っていたことになる...」


名達杏奈/メイダツ アンナは赤星雲に詰めよると服から胸の谷間を見せて揺らしながら必死に彼の推理に講義をしていく


「仮に一緒に飲んでいたとしても殺せたワケが無いじゃねーか...アタシは車広が車に落ちる音を聞いて外に出てきて...オマエも見てるはずだろーが!!」


「外には随分と強い風が吹いていてね...突き落としたキミ以外には彼が落ちたことに気づかなかった...叫び声は...俺達に自分が犯行現場である屋上に居なかった事を示しているんだろ...?」


「何を言ってんだ...屋上で落ちたんだろ」


「車広は部屋の窓から突き落とされた」


「不可能だろうが!!車広の部屋からじゃ車の上には落ちねぇんだよバカが!!仮にアタシが部屋に誘い出したとしてもアソコには落ちねーよ!!」


「できる...彼は部屋を更にもう1つ予約していたんだからな...部屋が2つだけだと行為した後にベットが汚れているから寝られない...部屋のベットは何処も1つだけだったんだからな?


だから車広の部屋とアンタの部屋以外の3つ目の部屋が必要だった...不動産のオーナーなら安ホテルの部屋を幾つも予約することなんて可能...犯行に使われた部屋はキミが鍵を持ち出して施錠したんだろ」


名達は事件が発生してから持ち続けている化粧道具セットの袋を大事そうに抱えると赤星雲の机上の空論は骨組みから肉付けまでされて確信に至る


「君は犯行現場の部屋の鍵をフロントに戻して証拠隠滅...彼が車の上に落ちた後に慌てて部屋を施錠すると自分の部屋を開けて叫び声を上げると声を聞きつけて出てきたフリをした...自作自演だな」


「そんなことした証拠なんて...どこにも無いじゃ...ねーか...アタシは...アタシは...」


「証拠は"ある"...犯行現場の鍵は全てエントランスの鍵を置き場所にあったが304号室...車広の鍵は304号室の中にも車広の死体のポケットにも"ない"


キミと共に空室に移った車広が自分の部屋の鍵を律儀に持ち歩いて空室にまで行ったか...車広に自分の部屋に変えられると都合が悪かったキミが奪ったか


当初に考えられていて屋上での犯行が真実であるならば紛失した鍵は屋上にでも転がっているはずだ


だが...それすらも嘘だと考えるなら...証拠は...」


奪い取られた化粧袋は逆さまにされて口紅や化粧落としやらが幾つも出てくる中で車広の部屋の番号が記された[305号室の鍵]が出てきた


「やる事が多すぎて車広の部屋である304号室の鍵を屋上なんかに置いている暇は無いだろうな」


完全に茫然自失となった名達だったが気が抜けた声で自分が何を考えていたかを語り出す


「だって...しょうがねぇだろ...車広はアタシの美術家の夢を応援すると言ってたのに...嫁以外に会えてキスできる都合の良い女としか見てなかったぞ...


身も心も限界だったけど何とか美術館に展示される自分の絵のことを考えて頑張ってきたのに...酒を煽った末にポロリと零した...そんな夢は叶わないって


オマエのを有効活用し続けてやるって...油断して窓の外を眺めていたアイツに声をかけて思い切り押してやって...別れを告げるはずだったのによ...


まさか死ぬなんて...死ぬなんて思ってなかった...」


顔に手を当てて大粒の涙を流しながら性悪の男に裏切られたアンナを見て名探偵フタミは彼女に駆け寄って申し訳なさそうな顔をしながら宥める


「ごめんなさい...アナタの事件を...僕は無遠慮に面白がって謎を解いているだけだった...推理物に憧れるがあまり...人間を見る目を失っていたよ...」


「うううっ...うううっ...うぅ...」


「なんだろう...悲しい.....事件です...」


フタミはアンナを出力された優しさから抱きしめると優しく背中をポンポンと叩いて泣きじゃくる犯人を落ち着かせた


名探偵と犯人の2人は泣いているが赤星雲は少しも泣くことも無くガッツポーズを取る


「ようやく解決したな...俺も素人にしては頑張った方だろう...まぁ...疲れたな...ほんとに...」


「ちょっと!!何を言ってるんですか...無神経に...赤星雲さん...僕でも流石に泣いている人の前でガッツポーズなんてしませんですよ!!」


「了承して外で死んでる奴と付き合ってたなら...一緒にいたソイツにも責任があるだろ?殺人の加害者なのは悲しい過去があろうと変わらないだろ?


第一に作り物だろ?この殺人事件録ミステリー


「何を言っているんですか!!このせかかかかかかかかかか波島人人人人人死体車風風煙草酒屋上...」


挙動から壊れた名探偵の頭部が火の粉を上げながら爆発して弾け飛ぶと離された身体から大量のプログラム文字と黒煙が噴火


外の車広を含めた4人も頭が無くなっており黒煙が噴火した後の火山のように放出され部屋を覆い尽くしていく


赤星雲/アカグモだけがエントランスで無事に立つ

「さて何点になるのかな...チュートリアルは」


気づくとホテルから全く別のGAME CLEARとだけ書かれた空間で赤星雲統は自分の目の前の視界という名の画面に浮かび上がっていく文字を見ていた


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PLAYER No.00 赤星雲統/アカグモ スベル

職業=AIプログラマー/エンジニア

池悠島HOTEL殺人事件 難易度E級 【解決】

CP0000 DP4000 EP2000 トータル[6000P]


CPはキャラクターポイント...キャラクター性に合わせた発言や行動ができていたかを評価します


DPはディテクティブポイント...探偵として事件解決ができたか事件の内容やトリックや動機を分かりやすく説明できていたかを評価します


EPはエンターテインメントポイントです...この探偵物を作劇的に面白くできていたかのユーモアや笑いや言い回しのセンスなどを評価します


【評価★★★☆☆】推理力も説明力も高いですが他のNPCとの掛け合いが地味すぎますし語るを語らない説明不足気味の捜査が目立ちますのでEPが低くなっています


解決パートでは名達杏奈のスマートフォンを取り出した所がありますが見つけた段階のリアクションが足りていないので見る側としては分かりにくいです


証拠の扱いや現場での判断などに冴え渡る所があり理路整然としているような印象とあるのでDPは少し多めに与えてもいいと評価しました


二見鏡狐の扱いも加害者への接し方も正解とは言い難く基本的に捜査をして推理をして解いているだけの一辺倒でありキャラクターの深堀りによるドラマ性が無く単調ですが今回はチュートリアルなので...


評価は甘めに星3評価にしておきます

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⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜FAKE・PAIN〜作られた真実〜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜⸝ဗီူ⸜

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《また皆さんと会いましょう》





スーッという檻から解放されたような感覚から目を覚ますと現実のゲーミングチェアの感触と冷えたクーラーの感覚が戻ってきている


此処が夢かどうか確かめるために自分の顔を叩くと少しの衝撃の後に鋭い痛みが頬に走る


「まぁ...いきなり探偵役にアサインされたにしては上手く立ち回った方だろう...最序盤は好調...


しかし、NPCへの対応まで評価されるとはな...所詮はAiが組み込まれた人の紛い物の情報の塊でしか無いのに」


NPC=NO Player Character=プレイヤーが操作しない誰にも動かされてない人間では無いコンピュータの存在のことを指す


起き上がってピッタリと揃えられたビジネススーツを着ている自分の目元に違和感を感じて透明なサンバイザー型のヘッドセットを外して机に置く


赤星雲統→糸澤充/イトザワミツル


自分の免許証を見れば当然だが自分の名前が分かるし赤髪に赤いネクタイの自分の見た目も良く分かるだろうが住所の表記から仮想世界か現実かも分かる


「もう少し頑張りたい所だが"副作用"の程が心配だからな...冷蔵庫のプリン食べて寝てやろう...」

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