第3話 処刑

「処す。」


「……え?」


「処す。」


「ちょ、お前ら、何言ってんの?」


加藤が後ずさる。だが、俺たちはすでに結論を出していた。


「お前、もう俺たちの仲間じゃねえよ。」


「待て待て! ちょっと待て! 俺は……!」


「言い訳は聞かない。」


俺たちは静かに海へ向かった。夜のパタヤビーチ。遠くにはネオンが光る歓楽街が見える。波の音が静かに響いていた。


「加藤、お前はここで罪を償え。」


「ふざけんな! お前ら正気かよ!」


加藤は暴れるが、俺たちはもう容赦しなかった。男四人がかりで彼を持ち上げる。


「海に沈めろ。」


「おい、やめろ!! 俺は……俺はただ……!!」


ザッパーン!!


加藤の体が海へと投げ込まれた。水しぶきが夜空に舞う。


「もう二度と戻ってくるな。」


俺たちは砂浜に立ち尽くし、加藤の姿が波に飲まれていくのを見届けた。


「……次に裏切るのは、誰だ?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る