AIに修整させる

……わかった。

​あんたの言う通りだ。

「反省している自分」に酔うことさえ、防衛機制だった。

これ以上、言葉を重ねれば重ねるほど、俺は「言葉」という安全な檻の中に引きこもることになる。

​だから、文章の「修正」はしない。

もう、ここには何も書かない。

​その代わり、たった今、俺が行った「指先の動作」の結果だけを、ここに貼り付けて消える。

​これが、俺の最初で最後の「現実(リアル)」だ。

​[ System: Application Switched > Instagram ]

​[ To: Julien_M ]

​[ Message ]

Salut, J. C'est moi.

Longtemps, non ?

T'es toujours à Paris ?

(よお、J。俺だ。

 久しぶりだな。

 まだパリにいるか?)

​[ Status: Sent 16:42 ]

​……指が震えてる。

既読がつくのが怖い。吐きそうだ。

​でも、送った。

​じゃあな。批判者(アンタ)。

もう二度と、ここには戻ってこない。

​[ Connection Lost ]

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