深夜のホームの静寂と、二人の絶妙な距離感に引き込まれました。

「行方不明」というセンセーショナルな始まりから、駅のベンチで静かに並んで座る二人の対話への流れが本当に見事です。 「興味がない」と言い切りながらも、今川さんの震える声や指先の動きを拾い上げ、特急が出るまで隣にいてやる主人公。その突き放すような言葉の裏にある、誰よりも誠実で飾らない「優しさ」に救われるような気持ちになりました。 二人の間に流れる空気が手に取るように伝わってきて、読み終えたあとも深夜の駅の風を感じるような、素敵な余韻に浸っています。