第3話『目覚めのロリコン』
静かな病室に薄く広がる消毒液の匂いを感じながら、少年Aはベットの上で目覚めた。
普通なら戸惑うことだが少年Aはこの状況に慣れていた。
コンコン、とドアを叩く音に続いて一人のナースが入ってきた。
「目を覚ましましたか、"ロリ助けのAさん"」
ロリ助けのAとは少年Aが以前にも四回ロリを事故や事件から救ったことでAについた異名だ。
「今回も車に真正面からぶつかったとは思えない程元気ですね」
そう、少年Aはロリを助ける度に本来なら死んでるような怪我でも軽から中傷程度で済んでいる。
「流石に今回はやばいと思いましたけど大丈夫でしたねー」
少年Aは飄々と答えた。
すると、ふと思い出したかのようにナースが一つの真っ黒な封筒を取り出した。
「ナニコレ」
「さっき中年ぐらいの男性から君宛にもらったの。中身は誰もいないところで見てだって。」
そう言ってナースは机に封筒を置き、帰っていった。
疑問に思いつつ少年Aは封筒を誰もいないと確認した上で開封した。
中には手紙が一通入っている。
手紙には「少年A。数々のロリを事故や事件から救った通称ロリ助けのA、君にダークナイツ第二騎士団ロリ制圧部隊ロリ管轄部への勧誘をしたい。突然のことで申し訳ないが機密事項のため詳しいことは会って話したい。明日の23時に新島区3丁目の三番地の廃ビルで待っている。」
というなんとも一方的な文章が入っていた。
普通ならばこんな怪しい誘いなど無視するが、一つ少年Aの目を引く単語があった。
第二騎士団ロリ管轄班第三部隊だ。
ロリという単語にひどく興味を惹かれた。
そして、少年Aは明日に廃ビルへと向かうと決めその夜は病院からの抜け出し方を考えた。
次の日の夜、無事に病院から抜け出すことに成功し廃ビルへと向かった。
いまだ痛む体を動かし目的地に着いた。
そこには一人の男性が立っていた。
少年Aが近づくと、一人は気づいた。
「君がロリ助けのAかね?」
少年Aは肯定する。
「私はダークナイツ第三騎士団「諜報部隊」人事統括部部長ニコライ・ヘルテスだ。きてくれて嬉しいよ、Aくん」
そう言ってニコライは握手を求めてきた。
それに応じつつ、Aは問いかける。
「とりあえず、要件はなんですか?それとそのダークナイツって一体なんですか」
「ダークナイツは国家の枠を超えて活動する超常的戦闘組織、とだけ言っておこう。これ以上は君がダークナイツに入ってからだね」
ニコライと名乗るものは怪しげな笑みを浮かべながら言った。
「ダークナイツが何であるにしろ、なぜ僕を勧誘してくるんですか」
Aは最大の疑問をニコライへと投げかけた。
「君には特別な力があるからさ。身に覚えがあるだろう?」
Aはそれの力とやらに見覚えがあった。
ロリを助けるために事故や事件のたびに負う傷が軽くなっていることだ。
「じゃあ俺は体に負う傷を減らせる力を持っているってことなんですか?」
「いいや、正確には違う。なぜ君が死ぬような傷を受けても大事には至らないか、それは」
「それは…」
Aが固唾を飲んで耳を傾ける。
「ずばり、ロリだね!」
Aは一瞬固まってからゆっくりとニコライの言葉を飲み込んだ。
意味がわからずに吐き出しそうになったが堪えてニコライに問いかける。
「なんで俺の力とロリが関係するんですか、意味わかりませんよ」
ニコライは至って真面目に説明する。
「君の力はダメージの軽減ではなく、君を中心とした範囲内に存在するロリの力を自分の力に再構築する力だ。名付けるならば、[幼力本願]という名の力さ」
聞いてもよくわからなかった。
「つまり、どういうことなんですか?」
「君の怪我が軽症なのは周りのロリから力を借りて、自分の力に変えているからさ。」
しかし、Aにはそのような力を使った覚えがない。
その疑問に答えるようにニコライは言った。
「君に自覚がなくても本能が君を生かすために能力を使ったのだろう。」
なるほど、とAは思った。
「つまりあなたは俺のこの力をダークナイツのために使って欲しいと言うわけですか」
「That’s right !その通り、その力を使ってこの国のために働かないかい?給料も高いぞー」
色々とニコライの話を聞いたが、Aにはダークナイツに入る気はなかった。
「まずはありがとう、でもごめんなさい」
「あちゃー、振られちゃったね。ちなみになんで?」
「俺に国のために戦う気とか覚悟とかないので」
Aは冷たくそう言って、帰ろうとした。
「そうかー、残念だ。ダークナイツに入れば君の好きなロリがたくさんいるのに」
「………!今なんて?」
「だから、ダークナイツに入ればロリを好きにできるよ?」
「入ります」
Aは即答した。
そして、その日から少年Aは普通のロリコン中学三年生からダークナイツロリ制圧部隊ロリ管轄班に所属する匿名Aとなった。
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