第37話 後始末
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結鶴は赤城晴斗の実家近くにある、世田谷区のとある公園で時間を持て余していた。
しかし、そこに黒いトヨタハイエースが現れる。
結鶴はそれを迎え入れると、車から降りる、品の無い男たち、五人を品定めした。
同年代もいるが、内訳は全く教育を受けていないチンピラか、ギャンブルで金を無くした会社員や手っ取り早く金が稼ぎたいだけで犯罪に手を染めても何とも思わない、思慮不足の学生等々だ。
確かにこれがきっかけで裏社会に入って、昇進を重ねる人間はいる。
だが、こいつらには見込みが無い。
捕まるのが分かっていて、犯罪に手を染める狡猾でない人間には裏社会で生きていける素養は無いのだ。
要するに、こいつらは知性や教養の無いゴミだ。
結鶴は男たちの内の一人が「報酬って、どうなるんですかね?」と声を出すのを聴いた。
「そこにある、金品は全て、持って行って良い」
「本当に良いんですか?」
「俺はあの光景を見たかった」
赤木晴斗の実家から大きな爆発音と火の手が上がる。
時限爆弾として設置したセムテックスが爆発したのだ。
直にここを離れないといけない。
男たちは唖然とした表情で赤木晴斗のいた家の方向を眺める。
「どうした?」
「爆弾なんて、初めて見たんで・・・・・・」
「お前らがそれを仕掛けたんだろう?」
「それはあんたの指示だろう?」
男たちは戸惑った表情を浮かべる。
「どっちみち、お前らは犯罪者だ。俺は金ではなく、あの光景が見たくて、お前らを雇った。金はやる」
「え? じゃあ、俺たちはどうすれば・・・・・・」
男たちが戸惑う。
「そうだな? ボーナスをやろうか?」
「えっ?」
男たちが一気に色めき立つ。
金でも貰えると思っているのだろうか?
ゴミどもめ・・・・・・
お前らには高等過ぎる残忍な報酬を与える。
そう思った、結鶴はベレッタM950取り出すと、男の内の一人を撃った。
心臓に当たったので、即死だ。
「えっ・・・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
「何で! 何で! 俺たちは指示に従ったのに!」
そう言って、男たちは逃げ出すが、結鶴は一人ずつ撃ち殺していく。
気が付けば、数人の男たちが足を撃たれて、這いつくばりながら逃げようとする。
「生きていたいか?」
「はい! お願いです! 殺さないで!」
「お前らに聞こう? お前らが生きていて何の意味がある? ギャンブルに金を全てつぎ込み、老人を蹴り殺して、その挙句に掴んだ、金も無意味にギャンブルやブランド品に車、さらには低能で貧乏な女を抱くことにつぎ込むようなお前らが何故、生きたいと思う?」
「そんな・・・・・・そんな!」
男の一人を撃ち殺す。
残り、二人になった。
「お前らが死んでも誰も悲しまない、生かしておいても世の中の為にならない、犯罪を犯し、それで手に入れた金もロクな使い方もしない、人間の出来損ないだ。俺が与える、報酬はお前らをこの世から解放する、死という甘美な報酬だ」
「嫌だぁ! 俺は生きたいんだ!」
男の一人を撃ち殺す。
そして、最後の一人となった。
「俺は・・・・・・ただ、幸せになりたかっただけなんだよぉ!」
「それは人を殺して、踏み台にしてでも叶える物なのか?」
「黙れぇ! あんな年寄りやガキどもなんか、殺しても良いんだよ! 俺のアルマーニとかドンペリの足しになるだけありがたいと思えばいい!」
「死ね、ゴミ」
「待て! 待ってくれ! 頼むから、命だけは!」
結鶴は容赦なく、トリガーを引く。
五人分の死体が公園に転がる。
奥から黒陽会の死体処理人が現れた。
「若、後はお任せを。責任を持って、このゴミどもは処理します」
「沈めておけよ、深くな?」
そう言って、結鶴は公園を後にして、組員の運転するスズキソリオに乗った。
「何も、自分で片を付けなくても?」
「上に立つ人間はな、面倒事も引き受けなきゃいけないんだよ?」
「帝王学ですか?」
「会長からの殺し以外での唯一の教育だ。後は自分で読んだ本で学んだ。俺にとって、恩師や教師は存在しない」
「若、何か・・・・・・お疲れさまでした」
組員がそう言うと、結鶴はため息を吐いた。
「今から明日の講義を寝ないかが心配だ? 遊び過ぎは学生の特権だがな?」
「俺には分からない悩みですね?」
そう言って、スズキソリオは発進する。
初夏の深夜の公園には光に虫が集っていた。
続く。
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