あとがき
書き上げたとき、窓の外はもう黄昏に染まっていた。
中国の作者として、文字で日本の学園を築き、観察し、「松本悠真」になろうとするこの試みは、不思議で、そして不安な旅だった。ふと考える——物語の中で日常のルールを懸命に解読する転生者と、画面の前で異国の細部を描こうとする私。私たちは、どこか似た「観測」をしているんじゃないかって。
ペンを走らせたのは、壮大な伝説を書きたかったからじゃない。むしろ逆で、つまらない瞬間に見えるもの——お弁当の分かち合い、気まずい歌声、ゲーム後の素直な会話——そんな瞬間を描きたかった。そうした瞬間のつながりこそが、「生きる」ことを形づくる。どこにいても、きっと。
初めてのライトノベルで、創作は摸索と自問の連続だった。悠真の長くも短い最初の一週間に、付き合ってくれてありがとう。彼の不器用な「観察ガイド」は、まだ始まったばかり。青嵐高校の日常には、まだたくさんの温もりと秘密が、ほら、続きを待っている。
では、第二巻でお会いしましょう!
——現実と物語の狭間で、同じく「どう生きるか」を学んでいる作者より。
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