第10話 新しい日常


謎解きがすべて終わり、図書館には日常の静けさが戻った。


なずなと影山は、解き終えた本を整理しながら、

互いの存在の温かさを感じていた。


「なずな、これからも一緒にいてくれる?」


「うん、影山くん」


二人は微笑み合い、手を自然に重ねる。


図書館は、もはや単なる本の保管場所ではなく、

二人にとって特別な場所となったのだ。


日々の謎解きや事件を通じて築かれた信頼と絆は、

恋として形を変え、二人をより強く結びつけていた。


なずなは思った。


「どんな秘密も、影山くんとなら怖くない」


夕陽が窓から差し込み、長い影を二人の足元に落とす。


図書館の静かな空間に、二人の笑い声がほんのり響いた。


これからも、謎とともに、二人の物語は続いていく――


そう思える、穏やかで温かい日常がそこにあった。

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図書館に眠る、きみへの秘密 塩塚 和人 @shiotsuka_kazuto123

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