第3話 協力関係
数日後、なずなと影山はすっかり謎解きチームとなった。
図書館の隅々を探し、古い本棚の奥に隠された暗号や、
忘れられた本の間に挟まれた手紙を見つけるたび、心が高鳴る。
「なずな、これはどう思う?」
影山が指差すのは、書架の上段にある、埃をかぶった古い日記帳。
なずなは息を呑む。
「この日記……文字が古くて読みにくいけど、きっと意味があるはず」
二人は肩を寄せ合い、協力して文字を解読していく。
影山の指がページに触れるたび、なずなの頬がほんのり赤くなるのに気づき、
彼女は心の中で小さく微笑んだ。
「影山くん、これって……もしかして、
図書館の秘密……全部私たちに解かせようとしてるの?」
影山は少しだけ首をかしげ、しかし真剣な表情で答えた。
「もしかしたらね。でも、君と一緒なら、解ける気がする」
その言葉に、なずなの胸はじんわり温かくなる。
謎解きだけでなく、影山という存在が、
なずなの毎日を少しずつ変え始めていた。
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