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概要
「判断しない」という選択が、僕を消した。
僕の仕事は、判断しないことだ。
届いた申請を確認し、形式に問題がなければ「保留」にする。内容の精査は上位部署が行う。責任はない。決定権もない。だから安心だ。
ある日、業務システムに通知が来る。「保留件数が一定数を超えた場合、AIによる自動判断機能が作動します」。特に気にしなかった。むしろ楽になると思った。
翌週、ニュースで小さく報じられる。「福祉支援の誤判定で家族が困窮」。自動システムの不具合が原因らしい。でも、うちの自治体じゃない。関係ない。
次の日、画面の右上に新しい表示が追加された。
届いた申請を確認し、形式に問題がなければ「保留」にする。内容の精査は上位部署が行う。責任はない。決定権もない。だから安心だ。
ある日、業務システムに通知が来る。「保留件数が一定数を超えた場合、AIによる自動判断機能が作動します」。特に気にしなかった。むしろ楽になると思った。
翌週、ニュースで小さく報じられる。「福祉支援の誤判定で家族が困窮」。自動システムの不具合が原因らしい。でも、うちの自治体じゃない。関係ない。
次の日、画面の右上に新しい表示が追加された。
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