『この調書には精神の混濁がみられます』

【事故記録・第19-8号】

対象者　小鳥遊唯（転落死）

発生日時　〇月〇日

分類　転落事故

現場に争いの痕跡は認められず。

目撃証言、物的証拠から言い争いの最中の、後方不注意による転落事故の可能性が高い。

被疑者・神崎蓮（対象者の大学の後輩）による「僕が落としました」との供述内容は、

現場状況、物的証拠等と整合せず、事実として認められない。

なお、被疑者（仮）による供述には混濁・誤認が確認される為、

別途、精神医学的評価を要するものとする。

以下、対象者の知人による証言

知人A （被疑者の同期）

「小鳥遊先輩も蓮も普通の人でした。少なくとも俺は…いや誰でもそう思うと思います。」

知人B（対象者の同期）

「小鳥遊は誰にでも分け隔てなく接する方で、後輩からの評判も高かったです。」

知人C（大学の教授）

「彼女はとても真面目な方でした。その性格により学内でも評判だったと記憶しています。」

知人D（サークル長）

「対象者と被疑者の仲に、特別な関係は無かったと思います。そのような噂も聞いたことがありません」

以上を本事故の記録として残す。

必要な追加事項は後日加筆するものとする。

ーー

※この調書には精神の混濁が見られます。