第3話 決闘と言うには実力差

10時までは長いようで短かった。できる限りの魔力を蓄え、ご飯を食べて力をつける。

「モネ、やろうか。」「そうだね、始めよっか!シェルが先行でいいよ。」

お言葉に甘えて先に動く事にした。

足に一瞬だけ身体強化をつけ、大きく跳ねる。上からモネに斬り掛かるがモネは魔力で盾を出し、くるりと旋回する。

スライディングをするようにモネの方へ向かい合うが、そこにモネはいなかった。

モネは後ろから私に銃を突きつけてきた。

「…私の負け、か。モネは強いんだな。私の事は好きにするがいい。」諦め半分に言うと、モネはクスクス笑う。

「そうだね。シェルの負け。」剣を取り、キッ、と顔をあげる。風の音が聞こえるほど静かだ。

怖いぐらいに。

「私はこれから魔王討伐に行こうと思うの。だから、さ。シェル、手伝って?」

びっくりして目が点になった気がする。そんな表情にモネはまた笑う。冷たい風が髪を揺らす。

モネ、ありがとう…。涙が頬を伝いながら漏らす言葉に彼女は返事をしなかった。

それから、私とモネの物語が始まる。

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