第3話 「母の愛」

−–−私は生まれつき体が弱い。


リビングの窓から柔らかい光が差し込む。私は小さな湯呑みを両手で包み、母の顔を見上げた。


「これを飲めば、明日には元気になるはず」


母は優しく微笑んで、私の肩をそっと抱いた。声には不安の影などなく、ただ確かな安心だけがあった。


湯呑みの中のお茶を口にすると、体の奥からじんわり温かくなっていく気がした。


「ほら、元気になってるでしょ?よくなるようにおまじないしながら淹れてるからね」


母の声にうなずきながら、私は自分の体も本当に軽くなっていくような気がした。

咳も頭の重さも、まるで魔法のように消えていった――


母はいつもそうだった。私のことを一番に考えて、守ってくれる存在。


夕方、母は私に「もう一杯淹れるね」と言った。


私はうれしくなって、湯呑みを取りに行く。お茶を口にすると、じんわり温かい。


でも、やっぱりだ。

時間が経つと、頭が重くなり、胸が少し苦しくなる。


でも、母はにこにこ笑って、「ほら、少し疲れただけだよ。これで明日はもっと元気になるんだから」と言う。


−–−体が弱くてごめんなさい。私のためにいろいろ犠牲にさせてごめんなさい。お母さん。


少女はまた塞ぎ込む。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る