モンスタートランプ　〜最強への道〜

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　カードバトルが始まり、天空とみかんの前に小型ドローンが飛んできた。

　モンスタートランプ対戦用ドローン――通称『バトルドローンくん』

　バトルドローンは変形して、細長いボードに形を変えた。

　目の前に浮かぶボードに２人は、デッキをセットして、初期手札５枚を引いた。

【 １ターン目　先行　愛姫 みかん　ライフ１５　手札５ 】

「　先行はあたしよ、ドロー！　」

　セットされたデッキからカードを１枚引き。

「　プリティードールを召喚！　」　

　カードをセットすると、ドレスを着た可愛い人形モンスターがフィールドに華麗に登場した。

　プリティードールはくるくると優雅に踊っている。

【 プリティードール　レベル４　種族 人形族　属性 光 】

「あたしのターンは終了よ」

【 ２ターン目　後攻　大空 天空　ライフ１５　手札５ 】

　

「オレのターン、ドロー！　オレは、レッドスライムを召喚！」

　天空のフィールドに、真紅のスライムが出現した。

　

【 レッドスライム　レベル４　種族 スライム族　属性 炎 】

「レベル４のレッドスライムで、同じレベルのプリティードールに攻撃！　炎体爆撃（ファイアーボンバー）！」

　主の指令により、レッドスライムは全身に炎を纏わせて、プリティードールに突っ込んだ。

「レッドスライムは攻撃した時、ターン終了時までレベルを３上昇させる。 レッドスライムのレベルは７にアップ！」

　纏った炎が強まりレベルが上昇した。その瞬間――

「　魔術、《人形への慈愛》！　人形族モンスター１体への攻撃を、代わりにあたしが受けるわっ！　」

　レッドスライムの攻撃対象がみかんに移り、爆炎の体当たりをモロに喰らう。

「ぐッ！」

　愛媛 みかん　ライフ【１５】→【８】

「攻撃を受けたあと、カードを１枚ドローする」

　カードを引き、みかんは強がった表情で。

「フンだっ！　これくらいぜんぜん効かないんだからねっ！　あたしは魔術、《ペインドール》を発動！　相手モンスターに直接攻撃を受けたとき、デッキから 受けたダメージ以下のレベルの人形族モンスターを召喚する。 あらわれなさい、パーツドール！」

　みかんのフィールドに、歯車の形をした人形族モンスターがデッキから飛び出てきた。

【 パーツドール　レベル１　種族 人形族　属性 土 】

「オレのターンは終了だ」

　期待感に天空はわくわくしていた。

【 ３ターン目　愛姫 みかん　ライフ８　手札４ 】

「あたしのターン、ドロー！　あたしは、人形騎士カーンを召喚」　　

　剣と鎧を装備した人形族モンスターがフィールドに現れた。

【 人形騎士カーン　レベル５　種族 人形族　属性 土 】

「みかんさんのフィールドに、３体の人形族モンスターが！　合体がくる？」

　真琴はゴクリと息を飲み込んだ。

「あたしのターンは終了よ」

「え？　さ、３体もそろって合体しないの？」

　真琴が疑問に思うなか、みかんは妖しく微笑む。

（ さあ、来なさい……天空……。あたしに向かってさ ）

【 ４ターン目　大空 天空　ライフ１５　手札５ 】

「オレのターン、ドロー！　オレは、スターナイトを召喚」

　フィールドに、星の衣装を身に纏った剣士が生まれた。

【 スターナイト　レベル５　属性 光　種族 戦士族 】

「 そしてフィールドにいる、レッドスライムとスターナイトを合体！　合体召喚、スターライトスライム！」

　２体のモンスターが一つとなり、新たなるモンスターへと生まれ変わる。

　フィールドにキラキラ輝くスライムが、ライトアップとともに登場した。

【 スターライトスライム　レベル９　種族 スライム族　属性 光 】

「レベル９のスターライトスライムで、レベル４のドールナイツを攻撃！　オ レ の 輝 き を 見 ろ ォ ！（スターライトライトラーイト）」

　爆光を身に纏いぷにぷに生物が光速で駆ける。

　みかんはニヤリと笑い。

「かかったわね、天空！　魔術、《人形劇》！」　　

　天空とみかんが立つ円形の闘技場が、演劇を行なう華やかな舞台に変わった。

「この魔術は、フィールドに人形族モンスターが３体いるときに発動できる。 相手攻撃モンスター１体を、あたしの操り人形にするわ！」

　演劇の舞台と化した闘技場の天井から操り糸が十数本 降りそそぎ、光速で駆けるスターライトスライムの全身に絡まり動きを停止させた。

「し、師匠のモンスターが、みかんさんに奪われる――！」

　その瞬間 天空は――

「　魔術、《フリーダムウイング》！　デッキからフリーダムドラゴンを召喚して、フィールドのモンスターと合体させることができる！　」

　デッキが光輝き、フリーダムドラゴンがフィールドに飛び出してきた。

　操り糸に捕らわれていたスターライトスライムの背に白い翼が生え、飛び上がり、絡まった糸を引きちぎった。

　２体は空中で一つとなり――

「　合体召喚、『フリーダムスライムドラゴン』！　」

　ドラゴン型のスライムが空中を舞っていた。

【 フリーダムスライムドラゴン　レベル１０　種族 スライム族　属性 風 】

「くっ。あたしのとっておきを、魔術で回避したわね！」

「さすが師匠です！」

　魔術 《人形劇》の効果が消えたことにより、演劇の舞台と化した闘技場は元の姿に戻る。

「フリーダムスライムドラゴン、人形騎士カーンを攻撃！　スライムインクラッシュ！」

　ドラゴンに擬態する羽ばたくスライムが、敵めがけて突進する。

　振り抜いた尻尾の一撃が人形騎士カーンを破壊した。

　自身のモンスターを破壊される姿に、みかんは嬉しそうに笑った。

「やるわね、天空。でも、言っておくけど、いままでのは ほんのウォーミングアップよ。 これからが全力全開フルアクセルなんだからね！　覚悟しなさい！」

「ああ、楽しみだ♪」

「見せてあげる、あたしの真の実力を！　あんたを倒すために鍛えたこの腕前をね！」

「そっか。じゃあ、オレのターンは終了だ」

　微笑んでターンを相手に移した。