Tips: 1
[伝承]
割波山の伝承によれば、山は……を二つに裂き、村を救ったという。だが、その背後にある海蝕洞は……へと通じる口。神は水を与え、同時に……を奪う。山が鳴る夜、海蝕洞の奥から聞こえるのは、波の音か、それとも神が……を啜る声か。
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[新聞の切り抜き]
【慶応■■年■月】潮鳴村にて突如発生した局地的嵐により、集落が壊滅状態。……救援隊が到着するも、村人はおろか神社の関係者も一人として見当たらず。現場は異様な……が漂い、調査は打ち切られた。以降、同地への立ち入りは……によって禁じられている。
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[業務記録]
【潮鳴村・連続行方不明事件の調査報告】村の少年一名が社への不法侵入の疑いで拘束された後、忽然と姿を消した。神職の説明によれば『掟に従い追放した』とのことだが、神隠しの沢の周辺で少年のものと思われる■■の一部が発見された。村内には重苦しい沈黙が広がっており、これ以上の追及は困難である。
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[本]
『サクナミ様は 生かしもするが 殺しもする 満ちれば沈む 夜見の路』……村の子供たちが歌う手毬唄だが、その歌詞の後半はあまりに不吉で、今は歌うことを禁じられている。特に、あの嵐の夜以降、生き残った者は……。
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[伝承]
割波山の名は、古の大津波をその身で裂き、麓の民を救った咲那美之命の御力に由来するという。しかし、裂かれたのは水だけではない。山はその時、生と死を分かつ███をも穿ったのだと言い伝えられている。
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[本]
夜見路の天井を見上げてはならない。蛍石の輝きに見惚れているうちに、足元の影が黄泉へと繋がってしまう。……一度入り込めば、満月の夜にはすべてが███に満たされ、出口は消える。
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[手記]
神隠しの沢は、大社の人間ですら忌み嫌う禁域だ。濡れた苔は粘膜のように張り付き、一度滑れば深淵へ直結する。あそこには、掟を破り『不要』となった者が、音もなく███されているという。
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[日記]
「小川の上流、分社の中庭に『流』の祠を見つけた。水は清らかだが、底の見えない深みがある。穢れを流すというが、流されたモノは一体どこへ辿り着くのか。海か、それとも……██の路か。巫女様だけが、その行方を知っているのだろう。」
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