エピローグ



生徒会室に残された小鳥遊は、愛しの先輩の声が聞こえた気がした。

衣類を整え直すと、そっと先輩の指定席を撫でる。その表情は自然と笑みが溢れていた。


「先輩はそのままでいてくださいね」


あの日の会話を思い出す。頷いてくれた。


「口では嫌がっても、責任を絶対に放棄しない。そんなあなただから、もう俺のことを無視できないですよね?」


それは確信めいた言い方で、小鳥遊は息を吐く。

呟きの内容は彼だけが知っている。


「俺はハメを外しますよ、先輩」


だって、あなたがそう言ったんだから。


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後輩くんが真面目すぎて、ちょっと怖い話を聞いてほしい 音央とお @if0202

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