謎の暗号解読調査

 とある町に老人がいた。老人のポケットから何かが落ちたのを、少女は見逃さなかった。

「なにかしら。」


 その紙切れを拾い上げ、少女は驚愕する。


「これは……暗号ね。」


 虫眼鏡で隅々までチェックする。そして、ポンチョコートのポケットからノートを取り出した。


「これは組織的な犯行計画はんこーけーかくに違いないわ。探偵ノートにまとめなくちゃ。」


 少女はノートにメモを貼り付けて、付箋を貼った。


「犯人は小説家のおじいさんの可能性が高い……と。」


 すると、メモを探しながら老人が歩いてきた。


「あぁ、お嬢ちゃん。そのメモは私のなんだ、返してくれるかな?」

「ダメよ!大切な証拠品しょーこひんなんだから!」


 老人は眉をひそめて、溜息をつく。


「う~む、わかったよ。メモを書き写すから、見せてもらえるかな?」


「それならいいわ!」


 少女はノートを老人に見せた。




「人参と、玉ねぎと、ジャガイモ。……あぁ、豚バラもか。」




 老人はメモを取り終えると、少女に別れを告げた。


 少女は老人のつぶやきを聞いてハッとする。


「そうだ!お使いの途中だった!」



 今夜はカレーだ。

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