泥棒猫追跡事件
とある町の住宅街。お魚咥えたドラ猫を、裸足で追いかける主婦がいた。たまたま通りがかった少女はピンときた。
「これは、事件ね!」
少女はお気に入りのベレー帽のツバを掴み、主婦の後を追いかけた。
「待て~この泥棒猫!」
主婦の形相に、猫は速度を上げる。
「あっ」
豪快に転倒する主婦。だがそのおかげで少女は追いついた。
「はい、これ。サンダルが玄関先に落ちていたわ。」
主婦は頬を赤くしながら、笑ってごまかす。
「お魚も大切だけど、あなたがケガでもしたら家族が悲しむわ。猫も生活がかかっていたのかもしれない。」
少女がそう言うと、主婦は眉間にシワを寄せた。
「いいえ、あれはお隣の猫なの。飼い主が自分の夕飯を盗んでくるように調教しているのよ。」
少女はバツが悪そうに、帽子を深く被った。
そして、近くの石ころを蹴飛ばした。
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