不思議で温かく、そして和の中にも何故か
素敵な外つ国の空気をも感じる
お洒落な物語を書く作者の、これ又
素晴らしいセンスが光る短編。
エミューを飼う友人。その卵を食用にと
貰い受ける主人公、その名も 橋広コウ。
ハシビロコウ=女性 である。
このエミューの卵から、純白のドラゴンが
生まれてしまう。猫ぐらいの大きさ、
そして、龍ではなくてドラゴンだから
四つ足。西洋の御伽噺に出て来る、竜だ。
彼らはドラゴンを交えて、囲炉裏のある
古民家を借り受ける。そして、暖かい炎の
中で、
更なる不思議を見る。
何とも言えない穏やかな温かさと、
ドラゴンの不思議。本来、竜たちは幻想の
世界に棲まうもの。けれども、それは
ふとした、全く予期しない時に顕現する。
一度、目の前に現れた竜は必ず何かを
齎してゆく。それがまさに 変化 であり
竜の真骨頂だ。
この作品を読む我々の心にも、きっと
何某かの素敵な変化が齎されるだろう。
それは寒い季節を暖める何か。
和の情緒と感動に溢れる、作者の既出作
【龍がいた季節】とは又違った趣きの
冬の 竜 のはなし。
主人公の友人がある日、エミューの卵を食用に届けてくれる。ところがそれがぱりぱりとふ化し、中からでてきなのは可愛いドラゴン。
リモートの仕事をしていたのもあり、ペット可能な友人の家の近くまで引っ越しをすることになる。
そこの家には、囲炉裏があった。
その囲炉裏を囲む。みんなで温かく。丁寧なスローライフのような生活。
一人だった都会とは違い、友人もドラゴンもタカさんも、母ドラゴンも囲炉裏を囲む。そしてみんな、どこかに愛嬌があって微笑ましい。
とても温かかいお話だと思いました。
都会の喧騒で忘れてしまったけど、確かにそこにある優しい丁寧な生活がある。
主人公の心もどんどん解れていき、生活を楽しむ。人とドラゴンとつながる。
そんな素敵なお話でした。
読後感には温かなものが残りました。
読ませて下さってありがとうございます!
ぜひ、オススメします…!