第2話 小屋
中条トウと別れ俺は自分の部屋の中へ入った。
部屋の中は10畳ほどの広さでちょとしたキッチンスペース、ベッド、テーブル、暖炉が設置されている。
ただ、床はゴツゴツと厚い板が敷かれているだけなので靴を履いたままの生活になりそうだ。
後で部屋用の靴かスリッパを用意する必要がある。
外見も内装も古い山小屋といった感じだ。
しかし寒いな…暖炉に火を入れたいけど使い方がよくわからない。薪まで用意されていると言うのに。
1時間ほどベッドで毛布に包まっていると外で音がした。
コンコンコン…ドアがノックされた。
「俺だ…中条だ」
ドアを開けると中条トウが色んな物が入った箱を胸に抱え立っていた。
そう言えばこの人は何歳なのだろうか?60歳くらいだろうか?
「色々とな…必要な物を持ってきた。わけてやるよ。あと暖炉の使い方…知らないだろ?」
中条は箱から部屋用のサンダルを取り出して履き替えた。
「ここは雪が多いからな。外で履いた靴はドアの横に置いて部屋用の履き物に履き替えたほうがいい。そうじゃないと中が濡れちまう」
箱の中から色んな物を出してはテーブルに並べながら笑っている。
それから中条は暖炉の前に立ち「まず最初はな…」そう言いながら丁寧に説明しながらすぐに暖炉の中に火を起こしてくれた。
「次はこっちだ」さっき箱から出した物たちが並べてあるテーブルに向かう。
そこには細長いヤカン、マグカップ、木で作られた皿、コーヒーを挽くミルまであった。
「あの中条さん…これ」
「全部好きに使っていいぞ。最初は支給された物だけから生活がスタートされるが…足りない物が多い。毎週土曜日に外の業者が来て市場が立つが金を稼いで買うのだって大変だからな」
「ありがとうございます。助かります。わからない事だらけですから。でも中条さんここに詳しいですね」
「まぁ…ちょっとな。今からウチにきな。色々教えてやるよ」
俺はそのまま中条の小屋へ招かれた。
中条の部屋は色んな物が充実していた。
「さっきここへ連れて来られたばかりなのに何でこんなに物が揃っているんですか?」
「んー。とな…実は俺はここに来るの2回目なんだよ。一度、出てな。また戻って来たんだ。E通りに知り合いがいてな前にここを出るときに譲った物をまた返してもらったんだよ。今さっきな」
そう言えば兵士が伝説の大泥棒とか言ってたけどかなりの悪党なのだろうか?そうには見えないけど…
「そりや、そうとな。明日から俺もお前さんも仕事をしなきゃいけない。決められた仕事ってのがいくつかあるんだ。アイス工場、物造り工場ってな。悪い事は言わねぇ。物造り工場を希望しろ。俺も働いている」
そうか。働かないと食っていけない。何もわからない事だらけだし俺は中条に従う事にした。
降りしき鼓動 〜深雪〜 アリア @aria-suu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。降りしき鼓動 〜深雪〜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。