第6話 ここからは手の裏に入ります
ここからは
師範、ここまでは、世間の思う手裏剣とは何か、という認識の確認でした。お爺ちゃんが、いえ、師範がお考えになる世間というもの、それの思う手裏剣というもの。それがどういった範囲に在るのか、と。
ここからは武術家としての手裏剣とは一体どこまでが一般的な手裏剣か、という段階の確認に入ります。
宜しいですね、くれぐれも、お間違えの無いように。
あと、先に申しておきますけれど、他の流派では、とかそういうお話も要りませんから。これはここまで、と自然に思う範囲を確認したいのです。どこからどこまでが手裏剣か。そして何を手裏剣と呼んで生きてきたのか。確認です。
宗家を私に譲ったとはいえ、師範ですからね、お爺ちゃんは。くれぐれも。
ではまず私の
はい。そうですね。こちらは
分かってますって。家族と言えど、師弟といえど、本来ならばそう
安易に
耳に何かができる程にまで、教わりましたからね。ものごころついた頃から。そう。ずっと。今に至るまで。
それでもね、今、
今度は私の手の甲を見て下さい。これは。
はい。
そして、この手の甲の側から続く手首の辺りは。
これも
ここは
そうよね。そうだったわよね。手首の場合の
ああ、懐かしい。
て言うかさ、私あの時まだ中学生だったのに、女の子にいきなり
あっ、お爺ちゃん、懐かしい方向に誘導したでしょ。
思い出話に気を向けて、私の話を逸らそうとした。駄目ですよ。師範。今は手裏剣の事で確認をしているのですからね。
続けましょう。では。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます