第3話

「何故、このような惨状になっているんだ? 可笑しいな、私の目が狂っているのだろうか?」


 人間の皮を被った化物は可笑しくも、人間の言葉を成人男性くらいの声色で話し、高らかに笑い、そして、理解し難いモノを見るような穢れを見るような目で、原因となる素体の少年を睨みつけた。


「可笑しいのは私だけなのか? 貴様……いや、ゴミ屑風情が、私の使い魔を憐れな形にしたのは?」


 原因は少年の表情を操り、くだらなさそうに下からゲテモノをなぶるように観察した。


 無論、化物はそれが気に食わない。


 本能的な感情。抗うことのできはしない身体が声にならない声を悲鳴のように出してから人並外れた速度で跳び、少年に戦闘を挑む。


「これだから、嫌いなんだ。闘争心に駆られる奴は」


 少年と原因はリンクするような声を出し、鎌を構えては身体に巡っているであろう魔を解き放つと同時に、化物も片手から魔力の何かを生み出しては少年へと向けて放つ。


 相まみえた戦闘は少年にとっては避けるだけだったおかげで、無傷で地面に着地だったが、化物の方は少年の攻撃を避けようとしたが、頬に鎌の刃がかすって、先程より少年との距離が近くなるくらいには詰めた着地になった。 


 そのせいか、化物はとても苛立ちが隠せずに舌打ちをする。


「今の攻撃、避けられるわけがない……!!」


 頬から新鮮な血を垂れ流して言ってくるため、少年は気が逸れて見てしまう。


「貴様、この期に及んで、私の目を見ず、他を見るとは……!!」


「生憎、貴様なんて俺の敵ですらない。諦めて撤退するのがいいだろう」


 化物の逆鱗に触れる余計な一言を原因が口にするため、化物はそんなわけがないと自信家のプライドがたぎるように歯を食いしばり、先程より強力な魔力の玉の光のようなモノを作り出す。


「貴様も懲りないな、本当に」


 仕方なさそうに原因は呆れた溜め息を零し、もう一度、今度はで鎌に魔力を込めて構える。


「私に殺されて、死に逝くがいい!!」


 呆れる程の自分に対して自信家の高魔力が小さい少年へと、スッと軽やかにぶつけられる。


 だが、少年は鎌を持たない片手でその魔力を防壁の結界のような力で易易と防ぐ。


 そして、呆気なく瞬きをしている化物に鎌は大きく振り下ろされて、人間の形をしていた皮の中身を真っ二つにしてしまえば、耳の鼓膜を破壊される程の悲痛な叫びは響き渡る。


「ぎやあああああああああああああ!! 痛い痛い痛い痛い!!」


 頭の脳裏で赤い血で、「痛い」と永遠のように発信されてくるため、流石の少年でも、身体がフラつく。


 真っ二つにするだけではダメかと、魔力で耳栓をしてから、真っ二つになった肉塊を亡き者にしようと行動する。


 まずはうるさいその口を鎌で一突き。


 突いたせいか、全部の歯と舌などが貫かれて、脳の下の部分さえも飛び出てしまう。


 すると、今度は悲鳴の代わりに、動画のリスナーのコメント欄のような字面で、「痛い」は流されて行くので、飛び出ていない頭部を少年の両足に魔力を込めて、踏み潰した。


 ぐしゃりと脳味噌が破裂した音はする。でもそのおかげで、嫌な音は消えるため、安堵するように微笑めば、それを死へと認めまいと抗おうと、手足が動き出そうとするため、鎌で素早く斬ってやった。


 もう動かないように行動を起こそうと思わないように、包丁で人が動物の肉を切るように、骨までしっかり切った。


 その度に紅い血は服に飛沫となって付着するが、そんなのはお構い無くで、無言で仕事をこなす様に、鎌を穢れた血で染めた。


 無心で化物を亡き者にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る