第2話
そこから骨折したであろう足や肋骨など、諸々、数分間、じっとしているだけで、先程までの少年に戻っていくような気がして、少年はもう大丈夫だろうとなんとなく原因から起きろと急かされて、パッと起き上がった。
確認するように、後ろを振り返り、自分が死んだはずな部分を凝視したが、血の溜まりさえも無かった。
そう言えば、ポケットにスマホがあったはず……と確認するようにポケットに恐る恐る軽く手を突っ込むと、絶対落ちたときに死んだときに割れているはずのスマホは形を留めていてる感触で、少年は目が点になった。
そのおかげで、もはや、ここに少年が何者かによって殺されたという証拠は無くなった。
それが原因の本来の形に戻そうという引き金となり、少年の記憶はここからは閉ざされた。
つまり、原因の方の意思が手前に来て、少年は一度寝てて貰おうということだ。
原因は少年の身体だろうがお構い無く、動けるのが嬉しいのか、後先考えず、先程の化物と同様に、跳躍し、白いガードレールがある崖の方まで飛んで着地した。
先程の化物は居ないようだったが、森のざわめきのおかげで、化物は姿を眩ませただけだった。
森の方から、少年が見たであろう赤い瞳が原因にも見えては力を開放するように、指慣らしをして、鎌が取り出される。
だが、こういうのは大きい鎌が予想されるものだが、この原因は大きく動きづらい鎌が嫌いなため、普通の鎌を殺しの道具としている。
赤い瞳が森から抜け出して、また跳躍し、襲い掛かろうとするが、これを華麗に、原因は鼻で嘲笑いながら、避けて、鎌を振り下ろして、首を狩った。
とても綺麗な赤い血飛沫を出しながら、ゴトッと重みのある音を出しながら頭部は落ち、身体は少しだけ時間差で同じように重みのある音を出して、アスファルトに落ちた。
普通の戦闘ならば、此処から先は何も無いのだが、原因は殺されかけたことが到底許すことは出来ず、首を狩られて分かれた頭部を鎌で殺そうと思った。
髪のようなものは動物のようなせいか、無く、でも、ふさふさした毛の繊維は顔の輪郭を覆っていた。
それから、よく分からない人間でもない動物のような耳、鼻は……。
あぁ、猫のような鼻で、鋭い牙が何個もあるため、まずは牙を折らせるように押し潰してやろうとか考えながら無表情で……。
殺した。殺した。殺した。殺した。
押し潰したおかげか、原型がもう無い肉の繊維だの、白い骨などが剥き出しの状態になる。
無論身体の方も鎌でたくさん切り刻んだ。
一体どうすればこの様な惨たらしい死体になるのかと発見した人間に思われるくらいには残酷に。
それくらいのことをこの化物は原因に対してしたのだから、致し方ないと、少年の黒かった瞳が紫色へと変化した。
だが、その殺し方が良くないのか、もう一つの別の化物を呼んだようだ。
何か来ていると森の方から感じながらも、姿を表されなければ、まだ成り立てのこの小さい身体では分からなかった。
ズドンと言う地響きを鳴らしながら、目の前に姿を現す。
殺した化物は動物の形が大きく出たものだったが、今、目の前で赤い瞳で、見下すように冷めきった表情を向けてくる者は人間の皮を被った化物だった。
人間人並みの身長で、そこまで筋肉があるようには見えない細身、特に脚は細かった。
紺色の髪色の長髪に、ハイライトのない黒目で、だいぶ気持ちが悪い見た目だった。
だがまぁ、さっきの動物じみた何かよりは全然人間らしい見た目をしている。
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