琥珀色の呼吸

みぃ

第1話






薄いカーテンを透かして


朝がしずかに　部屋の輪郭をなぞる


まだ冷たい空気のなかに


白く立ちのぼる　湯気のまどろみ


​昨日の残り香を　そっと逃がし


新しい光で　器を満たす


日常という名の　淡々とした調べが


また、今日を紡ぎはじめる


​言葉にする前の　まっさらな時間


熱いコーヒーを　一口ふくめば


心の中に　静かな湖が広がる


​急ぐことなど、何もない


この穏やかな　光の粒とともに


ただ、私として　目覚めてゆく



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

琥珀色の呼吸 みぃ @miwa-masa

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

App Storeからカクヨムアプリをダウンロード

Google Playでカクヨムアプリを手に入れよう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ