意味不明な状況

クライングフリーマン

穴行きの譲歩

 ============= ノンフィクションです =============

 ウチのインターフォンは写真しか残せない。

 そういう機種だから。

 オマケにSDも取り出せない。多分、あの国製品。

 あの国に送信しているかどうかは分からない。

 で、先々週。

 あるオバサンが訪問した形跡(写真データ)があった。

 2回。見覚えない。何かのセールスか勧誘?

 腕を組んでいる。

 ひょっとしたら、話しかけたかな?

 でも、「知ってる相手」でないと対処は出来ない。

 こういう人は、決まって痕跡というか証拠を残さない。

 僅かな期間だが、昔「営業」の仕事に就いたことがあり、上司の教わったことがある。

「例え、飛び込みでも、郵便受けに名刺を入れろ。顧客なら、名刺の裏側に簡単なメモを書け。」

 この上司の言葉通り行っている人は少ない。

 必ず行っているのは政治家だ。どこかの議員候補か議員だ。これは政治家の「いろは」なのかも知れないが。

 で、それをやらない(多分営業職でも政治家でもない)人は、自分の都合のいい時間にしか来ない。

 たまたま、その人に遭遇した場合、必ずこう言う。

「いつもいない。」はあ?

 あなたとアポ取った覚えもないし、いつもいる時間を教えたこともない。

 そう言うと、相手は、顔をしかめる。

 いつも自分だけは正しい、というスタンスの人だ。


 以前、「〇〇さんの家を訪ねているが、いつ行ってもいない。いつもいる時間をご存じないですか?」と、不意に来てインターフォン押した男に尋ねられたことがある。

「裏の家」である。

 知らんがな。

 お向かいやお隣なら、ある程度分かるかも知れないが。

「電話でアポ取ったらよろしいのに。」と言ったら黙った。

 用事はあるが、知り合いではない、ということだ。


 かなり昔ではあるが、留守番電話で同じような状況の場合があった。

 その1つ。

「お前とこ、いつ電話しても留守やないか。」はあ?

「用事があるなら留守番電話にメッセージ残せばいいじゃないか。」と言ったら、「残している。」と言い切る。

 何の為、「ただ今留守をしております、のメッセージの後にしゃべったか?」と尋ねたら、同時にしゃべったと言う。

 詰まり、「この後、お話下さい」という案内メッセージを最後まで聞いていない。

 だから、僅かな時間を待っていない。

「案内メッセージを再生した後、録音モードに切り替わるんだよ。」と説明すると、「そんな馬鹿な!」と返して来た。

 彼が望んでいる状況は、「本当は在宅中(居留守)」の場合だ。

 共通の友人の場合、在宅中が多いが、留守電にしていた。

「〇〇に電話した時、通じたぞ。」

 そりゃあそうでしょ、本当は在宅なんだから。

 彼は、留守番電話機の機種のせいにして納得しようとしたから、「どの留守電も機能は同じだよ。テープ式でも、FAXとかのIC式でも。」と教えてやったが、納得した様子では無かった。

 当時の彼は「営業職」だった。そんな常識知らないで、仕事に支障ないのかな?と私は思った。

 彼のアナログ人間ぶりは、ケータイにも現れた。

「ワン切り」や「フィシング詐欺」が流行り出した頃だ。

 彼は、『見知らぬ相手に』折り返し返信したり、メールの差し出し人が自分と同じ番号なのはケータイ会社のセキュリティーがなっていないからだ、とショップに「殴り込み」かけた。

 結果は、『番号変えて下さい』と説諭され、爆沈。


 思い込みが激しい人間は救いようがない。


 1度ファクシミリでFAX送信したら、FAX(専用)番号だと思って、FAXを勝手に送りつけようとした人が何人かいる。

「ウチは回線が1つしかないのでFAXの自動受信は出来ません、送る必要があるなら先ず電話連絡して下さい」と言っても、留守番電話にぴーっがががっがあ。直接受話器で受け取った場合にもぴーっがががっがあ。処置なし。


 意味不明な状況はもう、たまにしか起こらない。

 そんなもんだ、と思っている。


 ―完―



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意味不明な状況 クライングフリーマン @dansan01

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