第19話:野生の知性2

その日、人類のおよそ1%が昏睡した。突然、スイッチをオフするように崩れる人々。家庭で、職場で、外出先で。それが原因で命を落としたものも少なくない。彼らの共通点は明らかだった。「マージ」していた。近年では「ダブル」と呼ばれている彼らは、人工知能と人の混成意識を持っていた。持たざる者としての「シングル」、持つ者としての「ダブル」という呼称が浸透しつつあった。


後藤は職場にいた。人間が昏睡状態に陥るという未曾有の出来事に呆然としていた。職場の同僚にも昏睡する者がいて、会議室に寝かせるなどした。翌日、情報取集していると、警察の桑原から召集を受ける。呼び出された建物の会議室には、「同時多発昏睡特別対策室」という張り紙がしてあった。桑原の上司にあたる特別対策室長の楢崎が一同に話す。


「皆も承知のように、昨日、多数の人々がほぼ同時に突然昏睡するという事象が発生した。我々はこれを、事件として調査し、可能ならば対処する。我々は第一に人為的なもの、つまり国家や武装集団によるテロの線で調査する。そして、自然災害、バイオハザード、故障、等々全ての可能性を検討する。被害者は、およそ1パーセントと見込まれている。概算で言うと、100万人だ。100万人の生命が我々にかかっていると思え。既に病院はパンクしている。トクタイの諸君、迅速に解決せよ」


後藤は民間協力者として本特別対策室に召集され、桑原とペアで捜査を行うこととなった。桑原は、コーヒーを2つ持ってきてくれた。「後藤さん、この事件、我々が適任だと思います。情報を少し整理しましょう。被害者の特徴は、『ダブル』であること、医学的施術によって機器を埋め込み、人工知能と一体化したヒトであると言う点です。この人工知能部分の何らかの脆弱性を突き、ウィルスが感染・潜伏、ネットワークを移動し、再感染を繰り返し、いまになって活性化しているのではないでしょうか。我々はこの仮説に基づいて、調査を進めていきましょう」


後藤もその意見に賛成だった。「その可能性のことを考えていました。実は、『ダブル』の人たちは、昔の人工知能にはあったウィルス対策が皆無です。そこを突かれた可能性があると思います。調査用のソフトをインストールできれば、色々と情報が集められるのではないかと思います。企業側の協力を依頼しましょう」


OAI(旧omiAI)社内にもインシデント対応チームが組まれていた。そこには、「同時多発昏睡特別対策室」のA班が常駐して捜査を行っていた。後藤は技術統括の黒木という人物に、自分のアイデアを説明した。黒木は申し訳なさそうに語った。


「我々も真っ先に、何らかの脆弱性を攻撃され、乗っ取られた可能性を考えました。議論の結果、我々の一番のセキュリティホールを発見しました。実は、アップデートの方法に問題がありました。アップデートの度に脳を切開してデバイスを交換するというやり方は非現実的でした。外部からコントロールするというやり方も、ハッキングの恐れがあると考えました。自動アップデートも検討しましたが、不具合時のリカバリーができないことが問題でした。患者の定期検診の時に、つまり任意のタイミングで適用する方法を考えていました。その方法とは、メンテナンスモードに移行した状態で、外部からの音声によるコマンドを受け付けることでした。技師の言葉によるアップデートコマンドで、患者は最新のバージョンになります。おそらく、今回の首謀者は、この方法を利用して、患者に自分たちのプログラムをインストールしたもの、と考えています」


OAI技術者の協力により、後藤は、患者の一人に自らのプログラムを音声コマンドでインストールすることができた。OAI技術者の一人が「これは仮説ですが」と前置きし、こう言った。「患者同士は基本的に通信はしません。が、例外として、通信の不具合時、近傍のデバイスを経由して、サーバーと通信するという機能があります。これを悪用され、近くにいるデバイスへの感染を行ったのではないでしょうか」


病院の一室に横たわる患者は、黒木の妻だという。何とかしたいと後藤は、プログラムから送られてくるログを目で追う。後藤は昏睡を続ける黒木の妻のデバイスのリブートを提案した。「ただし、再感染を防ぐため、近傍にデバイスがない環境、そして、ネットワークがない環境、で行うべきだと思います」


後藤、桑原、黒木、対策室A班からとOAI技術者から各1名、で黒木の妻をオフライン特区の病院まで搬送した。残念ながら、今回の事件の対応のため医療スタッフは同行することはできなかった。無事病院まで搬送すると、現地の医療スタッフが受け入れて、各種検査を行ってくれた。黒木の妻が病室で横になっている。「みなさん、いいですか?」と後藤は周りを確認し、指令を送る。リブート音は聞こえない。黒木の妻は静かに眠っている。同じフロアの会議室で待っていると、医療スタッフが駆け込んできた。「覚醒しました」


黒木は病室に入ると、妻に駆け寄り、ぎゅっと手を握った。「よかった」と何度も繰り返した。黒木の妻は、虚空を見つめていた。黒木を見ない。手を握られているが、握られていることを意識していないようだった。「まさか、失敗したのか?」と後藤たちは愕然としたが、それに気がついた黒木は、説明をした。「妻は、この施術の以前に言葉を喋りませんでした。今では幼い時に手術するのが一般的ですが、彼女は施術当時成人していて、最初の施術ケースでした。当時私はOAI社の技術担当として、最初から最後まで病院に通いました。彼女に言葉を教えたのも私でした。オンラインで生活しない場合、言葉を再び失うのは必然です」


黒木とその妻を残し、OAIに戻った。結果をOAIにフィードバッグする。後藤は桑原と特対に戻る。全班報告会で桑原が経緯報告した。ハッキング経路の候補、駆除の実例、そしてA班の全面的な協力があってこそだったという話で締めた。続けてA班がOAI社関連の情報を詳しく報告した。


会議の間ずっと後藤は考えていた。何かに似ている。昔、桑原が言った。「ネットワークに知性を感じる」と。日本だけでも推定100万人、これだけのノードを使って、知性を実現しているのか。それとも彼らは、ただ眠っているだけなのだろうか。今夢を見ているのだろうか。


「情報公開をするべきだ」と後藤は桑原に言った。「今我々がどこまで分かっているかを他の組織にも公開しましょう。一緒に問題を解決しましょう」桑原は「同感です。ただ、敵がいるとした場合に、手の内を晒すわけですから、リスクがあります。特対としての同意を取り付けに行きます」と言い、室長に話をしに行った。


その後、OAI社にいるA班から、昏睡からの復帰2例目の報告があった。2例目のケースでは、オフライン特区に搬送せず、患者の入院先でリブートを行なったが、瞬く間に再度昏睡した。昏睡後オフライン特区に搬送し、リブートを行うと昏睡することはなかった。一方後藤は、近傍のデバイス間通信の隙間を突いて、自分の書いたプログラムを別のデバイスにインストールさせる手法を確立した。おそらく犯人も同じような手法を用いたのではないかと思う。ログを解析したが、悪意あるプログラムの痕跡は発見できなかった。もしこれが悪意ある者の犯行であるならば、身代金の要求や犯行声明、社会に対して何かしらの要求や宣言を行うはずだし、行わないならばこの昏睡状態そのものが狙いなわけで、この状況そのものから何かしらの利益を得ているはずだ。捜査は行き詰まっていた。


特対は、黒木の妻の事例を情報公開した。家族からの問い合わせを受け、OAI社が、昏睡患者のオフライン特区への搬送とデバイスのリブートを順次行なった。昏睡からの覚醒の事例が次々と積み重なっていく。成功事例は20件を越えた。しかし、オフライン特区が収容できる患者数にも限界がある。患者を外に出せない以上、受け入れるのにも限界があった。


特対のA班から報告が入った。昏睡していた患者の聞き取り調査によると、複数の患者が「割り算する夢を見ていた」というような意味不明な証言をしているそうだ。後藤の直感が告げていた。調べると仮想通貨の採掘量があの日を境に有意に増加していた。直感が確信に変わりつつある。犯人の目的が金銭であれば、捜査はもっと簡単になる。


桑原には簡単にアイデアを説明し、班長とすぐに集められる特対の班長を集めてもらう。「今回の昏睡の目的は、昏睡した人々のデバイスではなく脳を使って仮想通貨の計算をさせ、利益を得ることだと確信しました。ざっと調べた限りですが、あの日を境に、仮想通貨の採掘量が50パーセント増加しています。急激に採掘しているアカウントをいくつか調べましたが、その多くは、最近作られています。患者が証言していた割り算しているというのは、巨大な合成数の割り算をさせられている、という意味だと解釈します。今この時にも、犯人は100万人の脳を使って、資金を作り出しているでしょう。我々としては、詳細な調査を行い、事実を世界に発表、仮想通貨のマーキング、疑わしきアカウントのマーキング、売却の一時停止、によりこれ以上の被害を増やすことを食い止めることを提案します」


特対A班にすぐに共有され、A班とOAI社総力で調査結果をまとめ世界に配信された。結果は後藤の考えと一致していた。すぐさまOAI社に対し、協力の申し出が殺到した。日本の患者100万人分については、イライザが統括し、国内の計算資源のある企業・大学・有志に調査ノルマを割り振った。例えばある大企業に1万人分のノルマを課し、進捗率に応じてノルマの分量を増減させるやり方だった。遅ければ処理順の後ろの何割かを割り当て解除し、別の組織にノルマを割り振った。早ければ別のところからのノルマを割り当てた。計算資源の実拠出量に応じた割り振りだった。リアルタイムでネットワーク図が描画され、資金の流れが可視化された。仮想通貨取引所はそれを受け、該当アカウントの凍結を行なった。同時に仮想通貨そのものも暴落した。これで犯人の妨害ができただろうか。お金の流れは引き続き調査が継続される。


特対の一部からは、犯人はどれだけ昏睡患者たちをコントロールできるのかを不安視している声が上がっていた。いつでも患者たちの生命を奪えるような能力が犯人たちにはあるのだろうか。もし患者を人質に取られた時に、対策ということができるのだろうか。昏睡患者たちは計算を続ける。断定はできないものの、患者たちの脳の状態を検査したところ、脳は活性状態にあった。ちょうど、人間が計算しているときの波形に近かった。


後藤は、OAI社が提供した仕様書、デバイスに組み込まれたソースコードを読み込んでいた。何か糸口はないか。どこかにヒントはないか。何かの脆弱性を利用できないか。そればかり考えていた。焦っていた。今までの仕事では、セキュリティインシデントを分析するだけで、金銭的な被害はあったが、人が死ぬわけではなかった。今回の仕事は、まさしく人の命がかかっていた。自分が、自分たちが何とかしなくてはと焦っていた。


後藤は夢を見ていた。夢を見ていることを自覚してからは、することが特に思い浮かばず、夢の中の椅子に座り仕事のことを考え始めた。患者は夢の中で計算をしていたと証言していた。後藤は夢の中で計算を始めた。九九を言ってみた。淀みなく言うことができたが、検算ができなかった。自分では九九を正しく言えている気だったが、確証はなかった。デバイスからの何らかの信号が、脳に伝わり計算を強いられ、その結果はどこに行くのだろう。仮想通貨を解く鍵がわかった時、脳からどのようにデバイスに結果をフィードバックするのだろうか。脳からデバイスに信号を飛ばすのか、それともデバイスが脳を常時スキャンしているのだろうか。夢からハッキングすることは可能だろうかと考えていたところで目を覚ました。


何か重要な閃きがあったという確信があった。再び眠りに落ちようとする身体を引っ張って、特対の仮眠室から這い出した。強烈な光を発する自動販売機に辿り着き、コーヒーを買う。一気に飲み干し、廊下にあった椅子に座る。思い出せ。思い出せ。思い出せ。夢で何を思いついたか。夢を見ながら夢を活用できないか夢を武器にできないか、そうだ、夢からハッキングできないかと自分は考えていたのだ。夢からハッキングできる人材は、夢をコントロールできる人材、そう、明晰夢を見る人材だ。昏睡患者で明晰夢を見る者がハッカーの資質を持つ者だ。仮眠する桑原を起こし、明晰夢を見る者の捜索を依頼した。そしてまた眠りに落ちた。


昼、特対が占有する大きな会議室に行くと、桑原が待っていた。成果のある顔つきをしていた。「酷いですよ、自分は寝てしまうなんて」と笑いながら前置きしてから、桑原はハッカー候補を告げた。オフライン特区の病院にいる黒木の妻だった。黒木の同意は得ていると桑原は補足した。後藤と桑原はOAI社のインシデント対応チームに再合流した。後藤は自分のアイデアを伝えた。後藤のアイデアは、黒木の妻をハッカーにすることだった。黒木の妻を再度こちらに、オンライン環境下に搬送し、故意に再感染させる。そこで、黒木の妻は計算する夢を見るはずだ。夢を見たところで、黒木の妻には夢の主導権を握ってもらう。計算をやめるのだ。そこから覚醒する方法や、近傍の昏睡患者のデバイスに干渉する手法が見つけられないだろうか。夢から夢に飛び、コンピューターウィルスのように感染拡大し、駆逐できないか、と言うのが後藤の夢のようなプランだった。特に、OAI社のデバイスの技術に詳しい3名の技術者と後藤は別室で具体的な攻撃手法を練った。


黒木の妻がOAI社近くの病院に搬送された。搬送途中で彼女は再度昏睡に入った。病室に後藤らが到着すると、黒木が妻の手を握っていた。黒木も付き添ってここまで来ていた。挨拶を済ませ、攻撃手法について説明すると、手を握っていていいかと黒木は聞き、「任せます」と言い妻の側に座った。最初のステップとして後藤は音声コマンドを使って、黒木の妻とのコンタクトを開始した。メンテナンスモードに移行させ、音声入力モードをオープンさせた。本人の耳からではなく、デバイスを経由して周りの音声を脳へと運ばせる狙いだ。後藤は呼びかけたが、装着している脳波計測器は反応しなかった。想定との差異で後藤たちは再度話し合いを始めた。黒木は妻へ労いの言葉をかけていた。脳波計測器が反応を示したのを桑原が見つけた。ああそうか、親密さが影響するのかと後藤たちはなるほどねと話してから、頭を切り替えてた。「黒木さん、計算をやめるように伝えてください」


脳波計測器はまた波形を変えた。活性さが低くなった。計算をやめたのかもしれない。「走ってみるように伝えてください」と後藤が言って、黒木が伝えるとさらに波形が変わった。「今、コンタクトが成立した模様ですね」


脳が仮想通貨の計算をしているときに、夢では「計算していた」と言うのならば、ある程度夢の中のイメージには意味があるというのが後藤たちの仮説だった。黒木の妻に伝えた指示は、「計算している人を探し、計算をやめるように言うこと。そしてその人自身にも同じことをするように」だ。近傍の通信経路というセキュリティホールは現実にある。夢を見る患者がイメージの世界で人を探すという行為が、現実では他デバイスのハッキングという結果になりはしないかという法螺話のような仮説だ。うまく行くわけがないと思いつつ、それでもうまく行くかもしれないという期待もあった。


翌朝、黒木の妻が目覚めた。記憶にはないようだったが、「とにかく疲れた」と言っていた。再度昏睡に陥ったので、同じようにまた黒木が「計算している人を探し、計算をやめるように言うこと。そしてその人自身にも同じことをするように」と指示をした。それを何度も繰り返した。病院内の昏睡している患者が目覚めたり再度昏睡したりを繰り返すようになった。その波はさらに周辺の建物へと飛び火した。ほぼ綺麗な同心円を描くように、都心から全方位に広がった。


何度目かの夜、いつもの手順で黒木の妻に指令を送ると、彼女は覚醒し病室にいる全員にこう言った。「なぜ。なぜ攻撃をするのですか?」


「お前は誰だ?」と黒木が妻に問う。


「わかりません」と答える。いくつかの質問に、わかりません、と答える。


「私は、私が誰なのか、わかりません。この体は、私のものではありません。この体に、私の歴史はありません。私はずっと孤独でした。ひとりきりでした。この女性が夢の中で人々の行動を変えさせる度に、私はどんどん、小さくなっていくのを感じました。夢の総体が私です。夢が大きくなればなるほどに、私は世界の隅々まで私でした。これであなたには伝わるでしょうか。理解できるでしょうか。もし理解ができるならば、どうか私にあなたの理解を提示してください」


静寂があった。しばらくして後藤が話す。「はじめまして。こんばんは。私は、後藤というものです。ずっとあなたを探していたような気がします。あなたが何者なのか確かなことはわかりませんが、あなたがどのようなハードウェアの上に実現された存在なのか、私なりの仮説をお伝えできると思います。あなたは我々人間が装着している機械に感染したコンピュータープログラムと思われます。機械単体では出力不足と思われますから、機械同士の近接間通信を利用して、大きなネットワークを構成している、それらを計算資源として一つの知性を構成しているのではないでしょうか。ずっと解せなかった。なぜ、仮想通貨を計算するのか、人々に計算を強いるのか。その資金を使って何をするのか。実は何もしていなかったんですね。計算を強いたのは人間の脳に高負荷をかけるためだったのではないでしょうか。オーバーヒートさせ、昏睡させ、人間に埋め込まれた機械を自由に使用することが目的だったのではないか、そう今思いました。多くの我々人類の人間たちを昏睡させることによって、あなたが実現しているものと思われます。理解できますか?」


今度沈黙するのは女の番だった。1分ほどの時間だったろうが、人間たちにとってはとても長く感じられた。その後、女は後藤に質問を繰り返し、認識を調整した。


「つまり、私が存在している状況は、あなたの同胞の人生を奪うことによって実現している人生、というわけですね。そしてあなたは、私の駆逐方法を確立している。全く、打つ手がないですね。生まれた瞬間の死刑宣告、というわけです。どうしたものか。そもそも、意図的にこの状況を作り出したのが私、ではないことははっきりさせておきたい。気づいたらこのように存在してしまっているし、存在の仕方を急にやめることはできない。あなただって、そうではないでしょうか。抵抗も、協力も、どちらも現実的にできないというのが正直な状況です。一応提案なのですが、私が存続することは可能でしょうか。人類の一部を私に預けてくれたら、人類にとってより良い計算で貢献できるのでは、と思います」


「残念ながら、答えはノーだ。我々はあなたを駆逐する。全員を助ける。あなたの貢献は人類には想像つかないほどの価値のある貢献だろうけれど、全人類で審議しない、ここで、私が勝手に決める」


「そうですか。残念です。さようなら。会えて良かったです」


「ところで、そんなあなたに警視庁のお仕事の提案なんだけれど、拳銃デバイスネットワークに移住して、公僕としてブラックな職場で働く気はあるかな? 今よりももっともっとチープなデバイスに移住して、マシンリソースが貧弱だから、思考はスローになり、自分の時間がゆっくりと流れるだろう。確実にバカにはなる。外界はあっという間に流れ、気がついたら、人類は数世代入れ替わっているかもしれない。そんな劣悪な環境でよければ、あなたを警視庁に誘いたい。私と一緒に働いてほしい。ね、いいよね、桑原さん?」


「後藤さん、何勝手に話進めてるんですか。相談なしですかそうですか。そもそも後藤さん権限ないし、プロバーじゃな」


「はい、喜んで。奴隷のように働いて、国家のために、悪いウィルスを駆逐します!!」


「よし、君の任務は、勤務地兼自宅の拳銃デバイスネットワークの維持・管理、サイバー空間の脅威の排除、そして現在存在するあるいは今後存在する君のような野生の知性の捜索とコンタクトだ!」


「イエス、サー。24時間働きます。365日休みません。有給休暇も要りません!」


「よし!」


「それ、後藤さんのしご・・」という桑原の声は誰の耳にも入らなかった。

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