それはいつも通りの朝だった。

詩川

それはいつも通りの朝だった。

 それはいつも通りの朝だった。

 朝ごはんのみかんを食べていると、黄色い小鳥が窓を3回ノックする。

 クチバシの当たるコツコツという音が小気味よい。


 それはいつも通りの昼だった。

 お昼ごはんのフルーツサンドを食べていると、黄色い小鳥が窓を6回ノックする。

 クチバシの当たるゴツンゴツンという音が薄ら怖い。


 それはいつも通りの夜だった。

 夜ごはんのフルーツの盛り合わせを食べていると、黄色い小鳥が窓を無数にノックする。

 クチバシの当たるゴゴゴゴゴという音が恐ろしい。


 それはいつも通りではない朝だった。

 朝ごはんのバナナを食べようとしたら、窓がド派手に割れていた。

 散らばるガラスが朝日を映す。

 クチバシが窓に当たる音はもう聞こえない。

 備蓄フルーツは軒並み無くなっていた。


 私は落ちていたバナナの皮で足を滑らせすっ転ぶ。

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それはいつも通りの朝だった。 詩川 @nin1732

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