「事件は起こるのではなく、生まれる」──設定勝ちの知的SF短編

発想一発で読者の立ち位置をひっくり返してくる短編。
「見ている側」が物語にどう関与しているのかを、講義室という閉鎖空間で鮮やかに成立させている。
説明に逃げず、会話と状況だけで納得させる構成力が強い。
短編SFとして、読み終わったあとに一段深く考えさせられる一作。