蛇に噛まれたら

 昨日の帰り道暁さんからの電話があり、今日の放課後相談に乗る形になったが俺では役不足などと考えてしまう。

 そもそも話したこともあまりないし、俺なんかで良かったのだろうか

まぁなんにせよ、わざわざ俺を頼るくらいだから藍に関しての相談なんだろう

 そんなこと思いながらアパートを出る

『おはよ、お待たせ』

そう言うと俺と咲夜は昨日のことを思い出した用に顔に熱を帯びてるのを感じる

『おはよう、なんか照れくさいね』

笑いながらそう言う彼女を見ると愛しさが込み上げてくる


 朝の登校中昨日、暁さんから電話があった事を彼女にちゃんと報告する

多分藍に関しての事だと言うことも伝えて

『ふーん、モテモテだね』

少し不機嫌そうな顔をする咲夜

そんな顔を見せた後咲夜は俺の手に指を絡めてきた

いわゆる恋人結びというやつだ

 『ただ、相談に乗るだけだし何もないさ』

 実際なんも無いだろうし、俺には浮気なんてするような度胸もない

 それに相手はあの暁さん今まで浮いた話は一切聞いたこともない

それが俺なんか相手にするわけがない

 『そうだよね、だけど浮気したら骨の何本かは覚悟してね!』

 咲夜は満面の笑みで言う

『あぁ、任せとけ』

俺は苦笑いしながら答える



ー学校ー


 朝のやり取りもあったせいか、何故か少しそわそわしてしまっている

すると暁さんが教室に入り俺も周りと同じで吸い寄せられるように彼女を見てしまう

 すると暁さんと目が合う

俺はすぐに目を逸らしてしまう

だが目を逸らす前暁さんの顔はどこか不機嫌で睨まれてるようにも感じた

 まぁ昨日のキス現場も見られてたらしいし俺の顔見たことで少し不快な気分になったのかもしれない

それでも相談すると言うことはそんだけ真剣なのかな


 学校ではいつも通り授業をこなし、時々彼女と携帯でメッセージを交わしながら休み時間には藍と雑談をして過ごしたい

 チャイムの音が鳴り最後の授業が終わる

帰りのホームルームが終わりとりあえず帰り支度をして暁さんの方に目を向けると彼女はすぐ教室を出ていった

 すると携帯の通知音がなり確認してみる

暁さんからだ、内容は学校内の端にある空き教室で待っているという感じだった

 俺はすぐに了解と打って送信をする


 『それじゃまた明日な』

藍に挨拶をして教室を出る

他の生徒もすぐ部活に行くか帰るかなので段々人も少なくなってくる

そんな事を思いながら歩く事約5分指定された場所に着く


ドアを開けて中に入る

そこには外の部活を眺める暁さんが立っていた

『ごめん、おまたせ

俺なんかが役に立つかはわからないけど出来る限り相談に乗るよ』

若干緊張しながらもそう口にする


『きてくれてありがとう、でもまず謝らないといけないことがあるの』

そういうと暁さんはドアの方に向かって歩きだしドアを閉める

『謝ることってなんのこと?』

 単純に疑問で聞く

『相談でいうのは嘘なの

単純に春斗くんと話したくて呼んだの』


そう言われた俺は心臓が跳ね上がり鼓動が早くなるのを感じる

『なんで、俺なんかと?』

意味がわからないと思いながら口にする

『私ね、春斗くんの事が前から好きなの』

彼女は何の躊躇いもなく言う

そう口にすると同時にこちらに近づいてくる

俺は咄嗟に窓際の方へ後退りをしてしまう

『えーと、聞き間違えかな』

俺は若干の苦笑いをしながら彼女に対して聞き直してみる

『あなが好きなの』

真っ直ぐ俺を見つめながらどこか色っぽい表情

俺はそれを見て胸の鼓動がさらに加速するのを感じる

『ごめん、こんなこと言われると思ってなくて気持ちは嬉しいけど俺は彼女いるし、咲夜のことが好きだから』

俺は自分の思ったままの事を伝える


 そういうと暁さんは俺との距離をさらに近づけてくる

もう後退りできない俺は抵抗するかのように床に腰を落とす

距離を縮めてくる彼女に対して言う

『やめよう、俺は君の事よく知らないし、君も俺のことよく知らないだろ』

当たり前のことを言う俺は彼女とあまり関わりはないし、俺は好きって言ってくれる気持ちは嬉しいが俺を好きな理由がわからない

 

『春斗くん、君が思ってる以上に私は春斗君のこと知ってるし君がなんで今の状況になっているか自分でよく考えた方がいいわ』

 そう言うと暁さんは俺の腰に手を回し唇と唇が触れる

まるで蛇に噛まれたように身体全身に刺激が走る

毒が体に流し込まれてるような感覚

 俺はなんとか彼女を押し除ける

『おかしいよ、俺は彼女いるし暁さんのことを何も知らない

気持ちは嬉しいけど俺は暁さんの事好きでわけじゃないからやめてくれ』

 頭が回らない中なんとか拙い言葉で言う

『春斗くんはそう言うと思っていたわ

だけど私の気持ちは本当だからそう言われたからって諦められる程素直でもないわ』

笑ながら暁さんは言う

とりあえずはいいわと納得したように暁さんは俺から離れる


すると廊下の方から足音が聞こえてくる

『春斗くーん』

咲夜の声だ

俺を探していたのだろう

俺はすぐさまカバンを取り廊下の方に向かう

『俺は咲夜が好きだから』

俺は何とかそれだけをいい教室を出る

最後に彼女の方を見ると艶っぽく笑ながら人差し指で唇をなぞっていた

暁華恋(今はこれくらいで)


見てはいけないと思いすぐ前を向き廊下に出る

咲夜を見つめ声をかける

『ごめん、今終わったとこ帰ろう』

『顔赤いけど大丈夫?』

『大丈夫だ、日に当たっていたから熱が帯びたのかも』

そう誤魔化しながらいい咲夜と帰路に立つ


ー帰り道ー

俺は何故あの時諦めてくれと言えなかったんだろうそう深く考えながら歩いて帰る

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