第9話



「何の御用です?


牧野先生?」




きっと、面倒くさいことだ。




僕が副担任だからっていうのを。



良いことに、押し付け厄介主担任。



「実はお願いがあるんですよ。




有川の件で」




あぁ、ほらやっぱり。



有川くん。



ナズナと同じ。




クラスメイト。



弱虫すぎる性格で。



みーんなに、いじられて不登校。





っていうか、不登校になったのは。




ナズナが原因。




ナズナは、怒った。




ちょっと空気も読めない有田に。




空気で浮いてしまった有川。



それにお気に召さなかった、ナズナ。




徐々にいびり始めたのだ。




最初は「アイツキモくなーい」から。




徐々に、机に落書き、画鋲漬け。




そしてーーーラインいじめ。



これらすべて知ったとき。




もう手遅れ。



何故そこまでナズナが、有川を。




嫌っているのか?




その理由は簡単。




ナズナは気づいていた。




有川はナズナの事が好き。




ただその事実を、瞬時に。




ナズナは正直な子だ。




タイプでもない子からの、苦痛。




好意を向けられる事がね。




だからこそ、いじめたんだ。




百合と全く対象的な、タイプだから。




その事は唯一理解できる。




だけども、僕をいじめてる理由。




僕がナズナが好きだからとは違う。




他のなにかが、ありそう。




って、話がズレたな……。




何故僕が、牧野につるまれてるか?



それはーー有川を嫌ってるから。




有川は、立ち位置が弱い。




この牧野は、臆病だ。



やたらと強い人間の近く。




そこに身を置く。




そんな主義で動いていて。




「お願いできませんかね?




有川のオモリ」



こういう所も、大嫌いだ。




そして、有川に近寄らない理由。




それは、牧野もナズナの事が。




好きなのだ。




クラスの噂のさざなみで。




ナズナに告白したとのこと。




牧野が。



笑顔でナズナは断った。




だが、条件を与えたとの噂が。





それは、「有川を潰したら考える」。




といったそうだ。





恐ろしい。





「でも……僕。




忙しいので」




珍しく、ナズナが関わってるのに。




拒否できた。




僕は、成長した。




何故なら、そんなあくどい手を使い。




ナズナを落としたくない。




そう、思った。



どんなに、有川の事を僕が嫌いでも。




僕は教師。




オモリというやつの言葉で。




主導権を握りたくないというか。




僕は、僕なりのやり方で。




有川と接したい。




「それは、百合と付き合っていたから?



愛していたからってことか?」




その夢は、希望は潰えた。




「え?」

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