たぷたぷと、世界

ゆらり、ゆらりと星が揺れ

三日月は

わたしたちを

そっと、見下ろしている


人は生き急ぎ

たくさん、取りこぼしている


それに気づかず

手を伸ばす


光るほうへ

あたたかそうなほうへ


欠けたままの感触を

抱えきれず

夢のなかへ沈む


夢のなかにいることにも

気づかないまま


わたしも

まだ

夢のなかにいる


それでも

世界と共にいると

たぷたぷと

やわらかく

揺れている

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