第2話
今日も学校へ向かう。昨日のことが脳裏に貼り付いて、肩と足が重い。
「苺〜!おはよー!どーしたの?」
あ、リンちゃんだ。些細な変化に気づいてくれる
リンちゃん、優しいな。
「おはよ!ううん、大丈夫!」
二人で教室に向かう。リンちゃんといれば、自然と軽くなる。
教室に入ると、今日も騒いでいる。
「あれ、苺、安藤さんがこっち来てるよ?」
リンちゃんに囁かれて気づく。今日もなのか?
「愛野〜!おはよー。昨日から浮かない顔じゃん?」
今日も相変わらず顔が近い。顔も耳も真っ赤に
なってしまう。
「だ、大丈夫です…」
段々声が小さくなっていく。やっぱり私、安藤蓮のこと好きなんだ…きっと…///
気づいたら、目の前に安藤蓮は居ない。私が
フリーズしている間に行ってしまったんだ。
なんだか心がムズムズゾワゾワする。
「苺いいなぁ〜!あんなに蓮様と近くて!私と交換してよぉ!」
他の友達の声がする。私も怖いから最初は交換して欲しかった。だけど今は譲れない。だって、好きになっちゃったんだから。
…あれ?さっきから安藤蓮の近くにいた女子達に
睨まれている。やっぱり私なんか安藤蓮にふさわ
しく無い。これからの学校生活が不安になって
きた…
『キーンコーンカーンコーン』
授業の予鈴が鳴る。次は移動教室だ。準備をして、一人でトボトボ歩いていく。リンちゃんも今日は
他の子といるらしい。
「あ〜い〜の!一緒に行こうぜ!」
安藤蓮の声がする。
「ぇ、ぁ、はぃ…」
やっぱり恥ずかしい。ドキドキしてしまう。でも
やっぱり後ろから視線が感じる。きっと朝から安藤蓮の近くにいた女子達だ。背筋が凍っていく。
少し過呼吸になってしまう。パニックになると
いつもそうだ。バレないように静かにしないと…。
「ふぅ…ふぅ…」
「?愛野大丈夫?」
安藤蓮の手が触れる。ビクッとしてしまう。
「だ、大丈夫…」
顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。他の人から見たら、顔がタコのように真っ赤だろう。今すぐ
この場を離れたい気持ちと、まだ安藤蓮といたい
気持ちが絡まる。恋愛とは、こんなに大変で
こんなに複雑なんだと初めて知った。
「キーッ!あの女…!蓮様とイチャイチャ…!
覚えていなさいよぉー!!」
後ろからなんだか声が…。いいや、今は気に
しない。安藤蓮との時間を楽しみたい。
(2話はこれで終わりです!次回へ〜!)
” 大好き ” なんて言わせない! @HETAKURA
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